「ARIA The ORIGINATION[アリアジオリジネーション](TVアニメ動画)」

総合得点
85.0
感想・評価
1146
棚に入れた
6233
ランキング
258
★★★★★ 4.3 (1146)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.4
キャラ
4.4

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takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

『ARIA』は一種のバイブル。この3期を観てこそ完成する物語・・・自分にとって初の5.0評価となりました

1期からいつになくじっくりと少しずつ視聴してきた『ARIA』も、
この3期で完結。テーマは「始まり」とのこと。
そう、決して終わりじゃない、始まりなのだと、
観終えた今、しみじみと感じている。

舞台となっている水の惑星アクアとは、西暦2300年の火星。
テラフォーミングされ、人々が地球と同じように日常生活を送っている。
アクアでの観光都市であるネオヴェネツィアとは、
地球で水没したヴェネツィアの多くの建物が移設された街。
そこでゴンドラに乗り、観光案内をする女性ウンディーネたち。
この作品は、彼女達の友情と成長を穏やかな眼差しでみつめながら、
当たり前のような毎日の中にある「素敵」や「やさしさ」を
わかりやすい会話でそっと気づかせてくれる物語。

1期では主に、登場人物たちそれぞれのキャラがわかるエピソード
とともに、何気ない日常の中に息づいた素敵なことを。
2期では、ウンディーネとして少しずつ成長していく彼女たちとともに、
ネオヴェネツィアという街のさまざまな場所が表情豊かに、
時にはファンタジックに描かれていた。
そしてこの3期ではいよいよ、これまでの彼女達がいかにして昇格し、
それぞれの道を歩んでいくかの集大成。

ウンディーネという職業を通し、仕事に対しての考え方向き合い方、
後輩を育てていくという先輩方のリアルな心情などもしっかり描かれ
やがては独り立ちしていく後輩達の繊細な想いも、すごく伝わってきた。
その心構えはそのまま、子育てや親子関係にも通じるものがあり
愛情あればこそなんだな・・と感慨深かったり。

とにかく魅力的で、深く共感し納得できる名台詞が多い。
あにこれのプロフの一言欄でも、たくさんの方がこの作品の中の台詞を
書いてらっしゃるように、心に刻みたい言葉があふれている。
それはもう、作品全体がバイブルになると言っても過言じゃないほど。
しかも、誰にでもわかりやすい優しい言葉なのがとてもいいし、
彼女達の微笑ましい日常を観て、すっかり素直になっている状態に
そんな言葉がすっと心に入ってくる瞬間が心地良い。

また、台詞だけじゃなく、その圧倒的な光景の美しさで、
涙腺が崩壊してしまうことも多々あった。
例えばそれは、人目につかない場所で溢れるように咲き誇る花々だったり
風に飛ばされた帽子を、アリシアさんがオールの柄の先に華麗に乗せた時や
言葉がなくとも伝わる、人のあたたかい心に気づかされたときなんかも
絶え間なくぽろぽろと涙が溢れて仕方なかった。
もちろん、素晴らしい音楽での演出によるところも大きいとは思うが
この作品には、観る者の心を透き通らせてしまうような力があるのだ。

せつなさや悲しみの涙じゃなく、ただただ感動してしまう時の涙は癒しの涙。
特に9話から最終話までの5回は、神回の連続と言っていい。
嬉しかったり、想いにハッとしたりと自分のことのように思えるのは
1期からずっと一緒に見守って、彼女達と記憶を共有してきたからなのだろうね。
だから今回のレビューは、ネタバレリンクを貼らないよう、
あえて表面上のことしか書かないでおくことにした。

大きな成長を遂げたアリスちゃんのエピソードが多かったせいもあってか
彼女のことが大好きになってしまったが、
普段、男勝りで凛々しく厳しいあきらさんの、
本当はシャイで情に脆いところもなかなか良かった。
そしてやっぱりアリシアさんの素晴らしさはダントツだった。

最終話は見応え充分。観た人たちが
「3期まで観終えないと意味がない。3期を観てこそ完了する」
と口々に仰っていた意味もよくわかった。
ということでこの『ARIA』3期、自分にとって初の5.0の評価だが
それでも足りないくらい。

月日が経ったとき、きっと必ずまた観返すだろうなと思う。
なかなかそういう作品は、今までなかったが
ほんとうに、もっともっとたくさんの方々に観ていただいて
この感動をたくさんの人と分かち合いたいと切に思う。

ちなみに、余談だが・・「アリア」とは音楽用語で
オペラ、オラトリオ、カンタータなど大規模で多くの曲を組み合わせて
作られている楽曲における叙情的、旋律的な独唱曲のこと。

作品に登場する「アリアカンパニー」もきっと、様々な多くの人の支えで
成り立ちながら、叙情豊かな感性の持ち主であるウンディーネによって
今後も引き継がれていくのだろうね。

投稿 : 2012/11/27
閲覧 : 668
サンキュー:

69

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