かしろん さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

心配になりながら

－購入パンフ読む前の雑記－

どこまでも続く深い闇に向けてそれは打ち上げられた。
ＵＳ作戦と名付けられた作戦遂行のためだ。
第１段、第２段ともブースターは問題なく点火され、作戦軌道に乗ったそれは目標物とのランデブーポイントへ進んでいく。
だが、そう安々と目標物とのランデブーをさせてくれようはずもなかった・・・




序、破から続くヱヴァンゲリヲン新劇場版の第３弾。
元々の予定は急＋１を同時上映の予定だったが４部作として制作されることとなった。



あー・・・・疲れた。というのが見終えた直後の感想。


庵野監督は良くも悪くも自分の全部をさらけ出すように作品を作る人だと思う。
エヴァで地位や名声を得て、まぁまぁやりたいことをやれるようになり、伴侶も得た庵野監督は再びエヴァを作ると表明。そしてアニメ制作会社スタジオカラーを立ち上げる。
ＴＶ版第壱～六話相当の序。第七～拾九話相当の破はＴＶ版をベースとしながらも見事なまでのエンターテイメント作品に仕上がっていた。
ラミエルに吹っ飛ばされても果敢に立ち向かっていくその姿。
綾波を取り戻したいと激情に駆られるその姿。
旧作で何もやれないキャラだったシンジくんが、見事に自らの意思を示し目的を果たそうとするその姿に「あぁ、あのシンジくんがこんなに頑張って・・・」と、魅せる演出聴かせる音楽も相まって胸を熱くさせられたものだ。


んだが、今作で一気に方向転換をした。
まず初っ端から、何かをやろうと積極的に動こうとするシンジくんを何の説明もなく全否定。
やっと状況の説明受けたと思ったら、前作で頑張った結果は綾波も救えず、ただ世界を破滅させただけと知らされる。
絶望に打ちひしがれながらも、なんとかそれをやり直そうと頑張ってみたら、ハメられて余計に世界を破滅に導いていく。
ただただ、ひたすらにふんだり蹴ったりである。
あまりの突然の変貌ぶりに
「なんか嫌なことでもあったのか？監督」
と心配になってしまった。


破から１４年後、ネルフ対反ネルフという対図をもとにオリジナルストーリーとして描かれるが、所々にＴＶ版エピソードを挟み込み、正にリビルドといった感じ。
ＴＶ版では明るい演出だったアスカとのユニゾン訓練も、カヲルとやるとただただ重苦しい。
カヲルの首はねも結果的に超至近距離で見ちゃう羽目になるし、もう。

人類補完の前に、前作から今作への間の補完をお願いしたい。
物語の評価は完結編を見るまで難しいかなぁ、と。


作画はさすがに良く魅せるが、ＣＧをガンガンに使ってグルグル回す演出が多用され過ぎな気がした。

声優は、安定の文句無し。

音楽は宇多田ヒカルの「桜流し」が良すぎた。劇中ＢＧＭは破のゼルエル戦のような頭に残ってる曲が無い印象。

キャラは・・・・物語が見えてないから評価出来ない。