hiroshi5 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
都合良く無いか?
現在放送しているROBOTICS;NOTESと関連があり、以前からこのサイトでも人気が高かったことから視聴することを決めた。
が、期待値が高過ぎたせいかそんなに面白いと思えなかった。
作品の完成度は高いし、キャラも個性的でかわいい。中二病は正直見ていて疲れたが、後半はそんなに中二病も出て来なかったので我慢できた。
音楽も雰囲気に合っていたし、作画もキレイだった。
では、何が不満かと言うと、最後のトゥルーエンディングがどう考えても都合が良すぎるという点である。
{netabare}
アトラクタフィールドαで「SERNがディストピアを形成する」と「まゆりの死」を免れないことから岡部は「世界線変動率1%台のβ世界線」を目指す。
しかし、アトラクタフィールドβに入った所で紅莉栖はラジ館で死亡してしまう、というのが今作品のジレンマだ。
問題はシュタインズ・ゲートと呼ばれる世界線変動率1.048596%のアトラクタフィールドに入るとまゆりも紅莉栖も死なないという謎の定義だ。
アトラクタフィールドαでも登場した通り、世界線を1%変動させなければ運命の歯車からは逃れられないのではないのか?
簡単に言うと、紅莉栖を死んだ様に見せかけても結局は何らかの原因で紅莉栖は死ぬことになるのではないか?ということだ。
本編では必然という言葉が使用されていなかったが、まゆりのケースを見ている限り世界線変動というより、アトラクタフィールドを変更しなければ必然からは逃れられないというのがまかり通っているように思える。
そもそもシュタインズ・ゲートは岡部本人が言っている通り、特に意味もない表現だ。
シュタインズ・ゲート=世界線変動率1.048596%
アトラクタフィールド理論における世界線変動率(ダイバージェンス)の定義には
「作中に登場するダイバージェンスメーターの数値は基準値が記録された世界線を0.000000%とした相対値に過ぎないが、世界線収束範囲は約1%ごとの範囲となっている。」と書かれている。
必然を超える為には1%以上の世界線変動率が必要となっているのに、なぜ.048596%変動させただけで紅莉栖の死を回避できたのかが説明不足だ。というより、物語の設定と矛盾をはらんでいる。
{/netabare}
という訳で、今作品も例のご都合主義的観点から導き出された結論に留まってしまっている思わざるを得ない。
そもそも、別の世界線での出来事をまゆりや紅莉栖の様に鮮明に覚えていては、もはや別の世界線ではなくなっている。一種の情報共有世界と判断するのが適切になってくるであろう。
だた好評をするとしたらアトラクタフィールドαで、まゆりが必然的に死亡するという、その繰り返しに岡部が必死に葛藤する場面だ。
この種の物語は他の作品でも(ハルヒとか)試されているが、中々リアルに表現出来ている気がした。
これでこそ、アニメ化した意味があったというもの。
繰り返される絶望と、その絶望に免疫が付き初め、自己嫌悪に陥るという様は素晴らしい出来映えだった。