優馬 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
草薙護堂はカンピオーネである! キスで強くなる?! 7人目の王
本作「カンピオーネ」は、著者:丈月 城 イラスト:シコルスキー
のライトノベル作品を原作としたアニメです。
2012年7月~9月にかけてTV放送されました。
ちなみに、この作品を見るまでは、原作は知りませんでした。
原作ではまだまだ先があるから2期もあるのかな・・
ということでたくさんのレビューがあるので今回は
全く異なる視点から話していきます。
歴史が嫌いな人はごめんなさい めちゃ詳しい人は甘さを許してください
さて、自分的に言えば
カンピオーネという言葉を聞くとまず頭に浮かぶのがサッカーの応援歌です。
まぁ、その程度の知識が一般的だと思いますが・・・。
もう少しその歌の意味などから何を意味するものかを理解していくと
勝利へ導くための応援歌=勝者にするための応援
言葉では、イタリア語の「Campione」
文字を見てわかるように英語で言えば「チャンピオン」
日本で言うと「王者」(スポーツで言うと優勝者)
言葉の歴史から
国取りを目的とした時代から強者統治下における
権力争いが盛んであった時代のこと。
戦争によって多くの人が死んでしまうと
お互いの力の低下や部族の壊滅を招くことから
代表者を出して戦うという構図へ変わってきた。
紛争解決の手段である一騎打ちというものが出来上がり
その代表者を「カンピオーネ」といった。
日本でも鎌倉時代はこういった一騎打ちがあたりまえで
「やぁやぁわれこそは・・・」から始まる名乗りは
知っている人もたくさんいると思います。
モンゴル来襲により総力戦を余儀なくされて以降こういった
のもは消えていったわけですが・・・。
ヨーロッパでは、騎士道として受け入れられて形を変えていき
その後、ルールや手段を決めた範囲での代表者の対戦になっていくわけで
スポーツなどの競技の元になっているわけです。
歴史の古いイタリアなどでは「カンピオーネ」という言葉が
勝者という願いに置き換わったものと考えていけば理解しやすい
のではないかと思います。
この作者はウンチクが相当好きそうなので(あくまでも原作は知りません)
こういった言葉の意味や語源などを十分理解した上で
作品を構成したものだと勝手に思っています。
次にこの作品の重点である「神殺し」について
世界中の神話に神殺しの話が出ていますが、
文明の記述を残すことが出来たのは文字と記録という文明が
出来た以降のことです。
それ以前は言葉で伝えていくわけですが・・・
記録文明ともいえる一番古い文明であるメソポタミア文明
(チグリスユーフラテス川流域の文明:学校で勉強したはず)
にすでに「神殺し」の記述が存在しています。
それはこのメソポタミア文明が出来る始まりの出来事として
「ギルガメッシュ叙事詩」に書かれているものですが
その内容は自然破壊として読み取ることが出来ます。
森林地帯であった土地を伐採して作られたこの都市ですが
その森林地帯には、神の森を守る半身半獣の森の神「フンババ」がいた
人間を自然の奴隷から解放するべく部族の王「ギルガメッシュ」は
友人の「エンドゥギ」とともにこの「フンババ」と戦い倒してしまう。
この話は、宮崎駿作品の『もののけ姫』のプロットにもなっていますから
知っている人もいるかと思います。
後に旧約聖書に大きく影響を与えたといわれる書物です。
日本にも記録文書「日本書紀」があります。(他に古事記など)
そのなかにも多くの神話が描かれて神々の戦いの話が
書かれています。
神話で有名な北欧神話では、世界のはじめの話として
アース神族の長「オーディン」は、原初の巨人「ユミル」を殺して
人間たちの住まう大地「ミズガルズ」と天を創る とあります。
これらの話はRPGの世界観作成の題材になっています。
神話の世界では
基本的に神々は、権力抗争と呼べる戦いを行ってっており、
初期の神は、自然神であることが多く、自然神は獣身であり
退治されることが多く、後世の神ほど人に近く、人と同じような
感情を持っている。
この作品で使われている「まつろわぬ神」とはなにか
では似た言葉で「うつろわぬ」というものがあります
「うつろう」は「移動」をあらわしています。
ここから「変化」であったりという意味に解釈されたりします。
うつろわぬは移らないということになります
まつろうは「服」(服従)、「順」(従順)をいいます
まつろわぬとは服従しないということになります
ようするに「まつろわぬ」とは従わないものという意味です。
日本の神話には、神々の争いや平定を行ってきた神に対して、対峙する神が抵抗したり帰順しないことからそれらを
「まつろわぬ神」といいます。
基本的には、神なのですから誰かに服従することはないわけで
神々の力関係でのみ主従が出来ていることもある
ということになります。
神話の世界から宗教の世界へ変わっていく中で
魔族、悪魔、妖魔、妖怪、怪物などが神に変わって
神に対してまつろわぬものとして台頭していくわけで
これは「まつろわぬ神」からの変化であるといえます。
宗教は基本的に絶対神なので、相反する神はすべて悪なので
神という言葉すら取り払われているということです。
ということはこの作品はあくまでも宗教以前の神話時代内での出来事を
法則としているといえます。
ただし、神話には伝承というものも多く含まれているので
物語の題材として使用する際には、性格や能力などのキャラ性が
必要なので、宗教色がかかり始めた人に近い神のものが、便利であったのではないかと予測します。
ということでアニメの話とは全く違うところの話は終わりです。
ここからは、アニメ作品の紹介を簡単にまとめておくことにします。
ストーリー
この世界には神殺しと呼ばれるものがいる。神話に抗い地上に災厄をもたらす神を殺し、その力を奪った者たち。彼らは『カンピオーネ』と呼ばれ、魔術師の王として君臨し神々や同類と戦う。7人目の王、草薙護堂、彼は高校生として平穏な日常を望んでいた。だが魔術師で自称彼の愛人であるエリカによってミラノに呼ばれ、荒ぶる神との邂逅を果たす。さらには媛巫女の祐理までもが彼に想いを抱いてきて。愛する人は神殺しであり世の覇者。新しい形の神話的物語がここから始まる。
全13話
1話「はじまりの物語」
イタリア・サルデーニャ島に降り立った少年・草薙護堂。彼は祖父の使いとして、不思議な石板「プロメテウス秘笈」を届けに訪れたのだ。そこに真紅のドレスの美少女・エリカ・ブランデッリが現れ、石板を渡すよう要求。二人が言い争う中、突如咆哮が上がり、神話から抜け出したかのような巨大な猪が出現する! 暴れる猪を前に絶体絶命の護堂たち! そこに今度は巨大な竜巻が発生し、猪を消し去ってしまった。茫然とする護堂にエリカは、彼らが災厄をもたらす「まつろわぬ神」であり、石板はその縁の魔術書であることを告げる。そして強引に護堂の旅路への同行を決めるのであった…!
2話「王様のいる風景」
顕現したまつろわぬ神・ウルスラグナを倒し、神の能力を簒奪してカンピオーネとなった護堂。それから一週間後、護堂の元にはエリカがイタリアから押しかけて、教室でも堂々と愛を求めてくるという波乱の展開が! 一方、カンピオーネの力に注目し護堂に接近する者の姿も…。日本の魔術関係者の監査機関「正史編纂委員会」の甘粕冬馬と、協力者の媛巫女・万里谷祐理である。甘粕は護堂に、エリカが魔術結社「赤銅黒十字」の密命で動いていることを告げ、警戒を促す。エリカに真意を問い正す護堂。すると、彼女は護堂をある場所に連れ出すのだが…?
3話「遠方より敵きたる」
エリカの課した試練を権能で乗り越えた護堂は、世界中の結社から新たなカンピオーネとして認められつつあった。しかし護堂の日常は、熱烈に迫るエリカと、嫉妬に燃える周囲の視線に神経をすり減らされるという、刺激に満ちつつも平凡なものであり、そして彼自身もそれを望んでいた。 そんなある日、護堂は祐理に呼び出され神具「ゴルゴネイオン」を日本に持ち込んだことを問い詰められる。それはローマでエリカより渡されたメダルで、世界規模の災厄を引き起こすと預言された神器であった。そして祐理は霊視で、災厄の渦中に強大なまつろわぬ神・アテナを見出す…!
4話「まつろわぬアテナ」
死の言霊で護堂は倒れ、アテナが顕現した周囲は神の引き起こす災厄で混乱を極めていた! その最中、ゴルゴネイオン封印のため逃走する祐理はアテナに追われていた。そしてウルスラグナの権能で蘇生した護堂は、エリカとともに決戦の準備を進める。 やがて祐理の元にアテナが到達。とある目的のため来日していた魔術師・リリアナ・クラニチャールが加勢するが、神の力を前にゴルゴネイオンを奪われてしまう。神器で力を取り戻すアテナ。そんな絶望的な状況の中、一陣の風が吹く…。祐理の呼びかけに応じ、権能で馳せ参じる護堂! そして彼は、黄金の剣を手に再びアテナと対峙する――!!
5話「好日ならざる日々」
アテナの脅威も落着し平穏な日常を送る護堂は、例によって、所構わずまとわりついてくるエリカに困惑していた。教室でいちゃつく二人の様子はクラスの男子たちの嫉妬を買い、生真面目な祐理は護堂に対して説教の連続。そしてついには、エリカと祐理の野球対決まで勃発してしまう…と、護堂の気は休まる暇もない。 その一方、東欧の魔王と呼ばれるカンピオーネ・ヴォバンが日本を訪れていた。ヴォバンに従う青銅黒十字のリリアナは、彼の命を受けて護堂の周囲を暗躍。果たして、ヴォバンは何を目論んでいるのか…!?
6話「王たちは話し合う」
祐理がヴォバンに連れ去られてしまった! 四年前の「招来の儀」で祐理の才能に目をつけていたヴォバンは、彼女を利用して再びまつろわぬ神を呼び出し、闘争を楽しもうとしていたのだ。このことを正史編纂委員会の甘粕から聞かされた護堂は、祐理を奪還するため、エリカとともにヴォバンの元へと向かった! 立ちふさがる死者やゴーレムを排し、護堂はついにヴォバンと対峙! 老獪な相手は、若きカンピオーネにゲームを提案する。護堂が夜明けまでにヴォバンから逃げ延びれば、祐理を解放するというのだが…。
7話「風よ、雨よ、狼よ」
ヴォバンの強力な権能に敗れ、護堂は退却を余儀なくされていた。その一方、追っ手の死者たちを引き受けていたエリカの前に、彼女のライバルにしてヴォバンの従者・リリアナが現れた。苦戦を続けるエリカ。そこに祐理が駆けつけ、リリアナにヴォバンから離反するよう呼びかける。騎士の誇りを重んじるリリアナはこれを拒むが、エリカが彼女のある秘密を口にすると…!? 己の優勢を確信し、余裕の表情で護堂を追うヴォバン。そこに護堂が舞い戻ってきた。護堂の胸には、祐理の霊視とエリカの知識がもたらした切り札が…!
8話「英雄推参」
夏休み、護堂は再びサルデーニャ島の大地を踏んでいた。エリカから逃れるため、ルクレチアを頼っての行動であった。…が、途中で祐理に捕まり、イタリアに到着するとそこにエリカの姿まで! 結局、二人にに挟まれた、いつも通りの騒がしいバカンスになるのであった…。 その夜、エリカたちの元を離れた護堂はアテナと再会する。時を同じくして、ナポリではカンピオーネのサルバトーレ・ドニが、監視役のリリアナの制止も聞かずに神具・ヘライオンを破壊していた。それにより生まれた竜を追い、新たなまつろわぬ神が顕現する!
9話「行方不明の王様たち」
ペルセウスに敗れた護堂を救ったのは、護堂を自分の獲物と認めたアテナ。彼女の介入でペルセウスは剣を収めるが、傷が癒えた際の再戦を告げるのであった。 死の淵から甦った護堂を迎えたのは、青銅黒十字の支部で彼を介護するリリアナだった。リリアナの付き人・カレンはライバルのエリカを出し抜くため、護堂を籠絡するよう主に進言。そんなカレンの口車に乗ってしまうリリアナだったが、恋愛に慣れない彼女は空回りするばかり…。そこにアテナが再び現れる。彼女は護堂に、ペルセウス攻略の鍵をほのめかすが…?
10話「荒ぶる魔王、太陽の勇者」
護堂とリリアナの元に、ペルセウスからの決闘状が到着する。リリアナは、アテナより授かった天啓を護堂に授けようと思いつつも、口移しによる『教授』の術になかなか踏み出せないでいた。そして進展のないまま、護堂とペルセウスは再び対峙することに! 対抗手段を持たない護堂を、終始圧倒するペルセウス。倒れた護堂に駆け寄るリリアナは、護堂への想いを自覚し、騎士としての忠誠とともに『教授』の術を施す! 重ねた唇から流れ込む天啓…そこで護堂が知るペルセウスの正体とは!?
11話「太刀の媛巫女」
ナポリでの一件以来、「騎士の務め」と称して護堂の身辺にリリアナが加わり、日常はさらに大混乱! そんなある日、護堂の元に新たな押しかけ女房が登場。大剣を携えた少女・清秋院恵那は、「王様のお嫁入りに来た」とあっけらかんと語る。美少女に囲まれた現状を弁明するあまり、護堂はつい祐理たちを「ただの友達」と言い放ってしまう。 護堂の友達発言にショックを受け、祐理とリリアナはふさぎ込んでしまう。それに気づいたエリカは、護堂を強引にデートに連れ出した。そして彼らが向かった先には、ある人物が…。
12話「天叢雲剣」
恵那の力で生と不死の境界「幽世」に送られた護堂。彼はそこで恵那の保護者を名乗るスサノオと出会う。スサノオは、かつてはまつろわぬ神として顕現していたが、暴れ回ることに飽きて幽世に隠居したらしい。そしてスサノオは、護堂にある助言を授ける。 その一方、護堂を追って幽世に飛び込んだエリカは、恵那と死闘を演じていた。しかし天叢雲劍を憑依させた恵那に、エリカはついに敗北! 駆けつけた護堂が戦いを止めるが、恵那はその場から逃走。そして幽世の空気に侵されたエリカは、死に瀕していた!!
13話「神殺しの物語」(最終回)
強大なまつろわぬ神が顕現し、世界は闇に落ちようとしていた。先の天叢雲劍との戦いで力を使い果たしていた護堂に、今は対抗する術がない! エリカたちは己を盾に、護堂と戦局の鍵を握る少女を逃がす…が、圧倒的なまつろわぬ神の力に、善戦も空しく倒れていった。 離脱した護堂と少女は、日本最大のパワースポット・富士山山中の祠に逃げ込んだ。権能を回復していく中、護堂は少女と心を通わしていく…。そしてついに、まつろわぬ神が護堂の前に到達! 最強の神とカンピオーネ、その戦いの行く末は…!?
オープニングテーマ「BRAVE BLADE!」桜川めぐ
エンディングテーマ「Raise」小倉唯
声優
草薙護堂:松岡偵丞
エリカ・ブランデッリ:日笠陽子
万里谷祐理:花澤香菜
リリアナ・クラニチャール:喜多村英梨
清秋院恵那:斉藤佑圭
アテナ:小倉唯
甘粕冬馬:松本忍
草薙静花:日高里菜
ナレーション:立木文彦
感想
キスして強くなるとは、身体の外からの魔法は全く効果がないという
カンピオーネの特性から、唯一、体内に直接魔法を流入する方法がキスなど(他にもあるけど言えない)になる。
これは単なる回復魔法だけにとどまらず
知識を伝達する魔法においても必要なステップであり
あまりにも知識がない護堂に情報を伝達するための手段として
よく使用される。
護堂の得意技である言霊を使って相手を看破することで、正体を暴き
力を無効化するということに
知識・情報の取得は不可欠な行為であり、必然的に
キスをすることになる=好意を持たれるフラグがたちやすい
言霊による看破という技は、陰陽師などの霊媒師が妖魔との
精神世界での戦いでつかったりするもの。
お前の正体を知ったからバリヤーを解除した
これからの攻撃は直接当たるということを大声で言っている
中二病のような攻撃でもある。
しかし、これには相手を言い負かせる(くるめる)ほどの
相当な自信や胆力が必要なので
護堂は、もって生まれた天性の王者としての力、風格が
あったといえる。
まぁそうでもなければ神殺しなどは出来ないわけだが・・
この作品の主人公は、
英雄特性+女性人にモテモテのハーレム属性がくっついており
男としては、うらやましいほど最強なのだ。
僕は、一方面ではうざがられているようだが
ナレーションの立木文彦さんのセリフまわしが癖になってしまった。
また、原作者の神話フェチぶりも見ていて楽しい作品です。
特にアテナ出現(4話)以降からどんどん良くなっていきます。