ツキ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ダメ王子が描くバカ王子
FFとドラクエが発売したら仕事をしなくなると言われているダメ王子こと冨樫義博氏がアシスタントなしで描いたというのがこのレベルEという作品。ジャンプ連載から14年の時を経てアニメ化されたのですが、それとなく古さを感じつつも非常に楽しめた作品でした。
主人公のバカ王子をはじめ主要キャラの濃さ、それに見事にマッチした掛け合いや話の構成とどれを取っても高水準。
あまり書くとこの作品の「少し斜め上」をいく展開を損ねかねないのですが、数話のオムニバス形式で話ごとにメインとして描かれるキャラが一見すると全く関係ない人物。にも関わらずどのストーリーも秀逸です。「あれ?王子出てこないじゃん」と思いつつもストーリー自体に引き込まれて気が付けば見入ってしまいます。更にそれだけでは飽きたらず、まどろっこしい伏線を描かずに最後にどーんと落としてくるオチも実に爽快。 クソ真面目にバカ王子に振り回されまくるクラフト隊長がいるならば、全話を通じてダメ王子・冨樫に振り回されまくる視聴者がそこにいますw
最近のアニメとは少し違う、まさに正統派といったアニメ。未視聴の方には是非オススメしたい作品です。
ちょっと関係ない話ですが、この冨樫って人はホントに凄いです。各作品における主人公の性格の違いや世界観の変化もさることながらキャラクターの描き分けが普通とは違います。
本作のアニメではそうでもないですが一般的には髪や目でキャラを描き分けするところ、この人のキャラって鼻が違います。普通はその人の画風とか癖があると思うので鼻の描き分けって出来ないと思うんですが冨樫はしれっとやってのけますね。自分は絵心皆無なので詳しくは分かりませんがこの描き分けには非常に感心しました。
そんな冨樫氏でも越えられないと言ってるのが鳥山明さんらしいです。そう思わせたと言われる絵を明日いっぱいまでサムネにしておきます。上には上がいる世界ですねホント。
更に関係ないですがスマホとかにある顔認証のアプリ。女の子を描かせたら右に出る者はいないと言われているI''sやゼットマン作者の桂正和さんの絵なら認証登録できるらしいです。絵なのにw I''sのリアル絵とか「お前ビッグコミックの表紙か!」ってぐらいリアルなのに暖かみもあるってのが凄いですよね。
(個人的に)ジャンプ黄金期を支えた90年代の漫画家さんは本当に素晴らしい