tatu9 さんの感想・評価
3.1
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
謎解きをするのが好きな人にはオススメ
破は凄く出来がいいアニメでした。視聴後も不快感はまったくなくとても爽やかで。
ただTV版のEVAが好きな人間からするとどうしても違和感を感じてしまう。良くも悪くも普通のアニメという感じで棘みたいなものがほとんど感じられない無害な作品という印象でした。
そしてQ。
正直破にかなり幻滅していたのでまったく期待はせず鑑賞。
よく昔のEVAに戻った、みたいな感想を目にしますが自分にはそうは見えませんでした。TV版や旧劇はもっと生々しくて心に迫るものがあったのですが、今回のEVAにはそういったものがあまりありません。シンジやゲンドウ、あるいはミサトやアスカ等感情移入できる対象や取っ掛かりがあればいいのですが、そういった対象がおらず視聴者置いてけぼりのままただただストーリーが進んでいく。
Qで唯一引きこまれた場面は冬月がシンジと将棋を指すところくらい。
あそこは自分の教え子(片方は自分が好意を持っている相手)の息子とどう会話していいのかわからない。しかも自分たちの側に後ろ暗いものを持ってる冬月の心の揺れみたいなものが丁寧に表現されていてとても良かったです。
そのシーン以外のキャラの心理描写はかなり大雑把に感じました。ストーリーを進めるためにとりあえず演技をさせたという印象。
ひょっとすると庵野さん自身がもうシンジやゲンドウの側に立てなくなったってことなのかもしれませんね。
それと旧劇は賛否両論あるけどセンスに溢れてました。
狂気にはまみれてたけど、狂ってる描写がとても良く見る人間を引きこませるものがありました。
今回のQにはそれを感じることが出来なかったのも残念。
自分なりの結論としては、Qは謎解きをするのが好きな人にはオススメ。
物語を楽しみたい人には不向きかなという印象。
でも、不思議と破を見た時のような幻滅は感じませんでした。
次どうなるのか、この物語をどう終わらせるのか。なぜか自分の中ではEVA熱が再燃してる感じです。
良作ではないんだけど、なぜか続きを見たくなる。
Qはそんな不思議な魅力を持った作品でした。