「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)」

総合得点
77.6
感想・評価
1557
棚に入れた
8477
ランキング
611
★★★★☆ 3.9 (1557)
物語
3.6
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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kochiro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

終始ニヤニヤ

旧作を思春期にリアルタイムで観てきた世代なので、この作品の影響の受け度合いは半端ない。ということを先に書きます。

社会人となり、それなりにいい年になって長い年月が経ったのですが、やっぱり映画館まで足を運んでしまうわけです。で、あなたはまだこの作品に何かを求めているんですか?と言わんばかりの仕打ちを受けることとなります。

本作は、旧作からいつまでたっても何にも成長していない人、成長してどこかが変わってしまった人、自分が成長できないことに苛立つ人、それをエヴァのせいにしている人と観客に幅を持たせつつ、旧作を知らない新規の観客も登場人物として加えてしまいました。

登場人物とシンクロさせる手法。変わってません。笑えます。

でも、いろいろ言われるでしょう。これだけ多様化してしまった新世紀後ですから、お前のせいだと言われても仕方がない。本人にその気はなかったとしても社会現象とまで持ち上げられてしまっては周りはそうそう見逃すようなことはしない。そんな現代とエヴァという作品との背景を本作は見事に表現しているので、ストーリーとか関係なく観てよかったと思います。

エヴァって旧作もそうでしたが生きていてモヤモヤしていて何かで代弁できないかという状態を表現するのがうまい作品です。

やれるからしたい。
 → 監督はアニメ作品を作りたい。やっぱりこれしかできない。
でも、もう何もしないでと命令された。もう勘弁やわ、とも言われた。
 → エヴァ以外のヒット作が作れていないからもうやるな。
やれと命令される。
 → エヴァ以後、第4次世代がアニメ業界から生まれずエヴァが熱望される
  (第1:ヤマト、第2:ガンダム、第3:エヴァ)
わからなくなる。
 → またエヴァをやるのか?やらないべきか?
これまで誰かのためにやってきた。でも期待と異なる結果となった。
 → 旧劇場版はやった。それでも完結に関して評価は割れた。
一緒にやろうと誘われる。じゃあやることにした。
 → 金になった実績のある大型コンテンツに群がるスポンサー
でも、やっぱりやめようと言われる。
 → スポンサー達の作品の方向性要求からエヴァではなくなる
一度やると決めたことをやる。
 → エヴァをやろうって言ったじゃないか。
期待と異なる結果となる。もう何もしたくなくなる。
 → これは今作を観客がどう受け止めるかによって決まる。
   私なら例え受け入れられなくとも誰かさんと同じように手を差し伸べますよ。
 
本作を終始ニヤニヤしながら観ている自分がいました。
懐かしい。監督はあの頃から成長していないんですね。

この作風いいじゃないですか人間、そうそう変われるもんじゃありません。

投稿 : 2012/11/23
閲覧 : 293
サンキュー:

9

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