mikura さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最高でした。
こんなに熱中して時間を忘れて見たアニメはないかもしんない。
「カレイドステージ」というサーカスとミュージカルとイリュージョンショーが融合したショーが舞台のアニメ。
珍しいジャンルです。
主人公の苗木野そらがカレイドステージのオーディションを受けるところから始まり、挫折と苦悩、特訓、ライバルとの対決などを経て少しづつ成長し、トップスターへ登りつめていくお話。
主人公が困難を乗り越えて成長していくというのはどんな物語でもよくある展開です。
でもその結果得られるものといえば、勝利だったり、相手を殺す(倒す)ことだったり、似たりよったりの結末でしかない。しかも、相手より魔力が大きかったとか、技が早かったとか、絆が強かったとかいう、あいまいでよくわからない理由で決着がつくことが多い。
このアニメが素晴らしいと思うのは、その努力の結果が「カレイドステージ」という舞台での演技で実際に見せられるところです。演出も動画も素晴らしく、うっとりして溜息が出て、何度も見てしまう。
アニメという手法を使って、結果にこれ以上ない説得力があり、魅了される。
作中の登場人物たちと同様、見ている私も、もっともっとそらとレイラのカレイドステージが見たいと思ってしまうのです。
特に前半最後の26話、後半最後の50話と51話で演じられるカレイドステージは神がかっているといっても過言ではない。コレを見ないで死ぬのは実にもったいない!
ただそこに行くまでの過程も熱くて重要だから全部見なきゃ大損だ。
{netabare}
でも私が一番好きな話は、そらが初めて「人魚姫」で主役を演じる9話と10話なんです。
はじめはレイラのまねをして悲劇の人魚姫を演じるそらですが、客の今一つな反応に苦悩し、やがて自分らしい人魚姫を作り上げていく。
そらは迷いの中でぼろぼろの演技をしてしまい、王子役のアンナに謝るのですが、アンナは、
「お客さんにそれは通用しないよ。相手役として言う、明日はもっとちゃんとした演技をしてほしい。だから、一緒に考えよう」
アンナも最高だったねここ。
そして仲間と一緒に作り上げたそらの人魚姫はブラボーの一言。
「最高だったぞ、そら~」と拍手してしまったよ。
話が進むにつれ、そらの挫折や苦悩、そして技の特訓の描写が多くなっていくのです。とくに29話からの後半部分はそらの苦境ばかりが描かれる。それがあってこそ、最後のカレイドステージが光るものになるのはわかるのですが、私はもうちょっと、そらの実際のステージが見たかったなぁ。
{/netabare}