hiroshi5 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あのアヌシー国際アニメーション映画祭で長編作品特別賞&観客賞を受賞した作品。それだけで見る価値あり!
率直な感想としては、私とは相性が合わない作品内容に関わらず以外にも心に響いた。
それほどに完成度が高かった。
主人公の記憶が失われていることがこの作品の本当に大きなポイントだろう。
ネタバレになるからあえて記述しないが、この作品の最後のトリックが作品としての完成度を一気に高くしていると言って良い。
残念ながら私は自殺したいとか、死にたいという程苦しい思いも、悲しい出来事も人生でなかったためこういったトピックには感情移入しにくい。
しかし、この作品は何も自分の人生に悩みを抱えている人だけの為の作品ではない。
最後の家族で食事をとっているシーンなどは本当に素晴らしい描写だった。汁を味わって飲んで、ゆずを絞って、肉を口に運ぶ。その詳細な過程をキレイに写し、バックで母親が泣いている。
「日常」がどれだけ大切かを繊細に描写していて、この作品の殆どがこの中に詰まっている。
殆どというのは、タイトルのカラフルである色のテーマがこの描写では説明されてないからだ。
その色の描写は最後の真の完成させた「絵」が語っている。
作画、音楽の面においても申し分なく、この作品に対する制作側の意気込みが伺える。
もちろん、この作品は人生に悩みのある人や自殺未遂した人間ほど観て貰いたい内容になっている。
しかし、それ以外に人にも十分「日常」の大切さを伝えることができる内容になっている。
2時間と少し長めだが、人生を見直す、自分を見直すということからもこの作品を見て欲しい。
特に中学生と高校生かな。