takumi@ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
恋を進展させたいなら、まずは「I」が必要
原作は最近だと『ZETMAN』で有名な桂正和氏の恋愛漫画作品。
作中にも「ZETMAN」ならぬ「ZATMAN」が
映画のポスターとして登場していてちょっと笑えた。
1話約28分全6話のOVAなのだが、高校2年から卒業後までを
回想交えて描いており、テンポはかなりゆっくりめ。
しかも、おぉやっとか、そのままGOだ!と膝を叩きそうになると
携帯が鳴ったり、いろいろと邪魔が入る、まぁよくあるパターン(苦笑)
でも、渋谷の街並みや井の頭線が個人的にはすごく懐かしく、
井の頭線なんて渋谷から乗ったとき、途中のカーブに差し掛かるときの音が
そのままだったからちょっと感激したりして(笑)
主人公は、瀬戸一貴(せと いちたか)
ヒロインは葦月伊織(よしずみ いおり)
一貴の幼馴染に秋葉いつき(あきば いつき)
一貴の親友に寺谷靖雅(てらたに やすまさ)
そのほか、民宿近くの海辺で出会う女の子 泉(いずみ)や
高校でのクラスメイトが登場。
まず気づくのが、いちたか、いおり、いつき、いずみと
みんな「い」=イニシャル「I」がつくということ。
そして物語が進むにしたがって「I」には別の意味も含まれてるのでは?と感じた。
愛と哀、そして自分自身を指す「I」・・
だけどそのわりに、{netabare}なかなか自分本位にならないところが特徴的。{/netabare}
相手をいつも思いやって、相手の想いを優先させるのは
もちろん時と場合により、好きだったら大切なことだけれど、
恋愛を進展させるにはある程度のエゴが必要だと思うのだよね。
一途な主人公の想いと優しさは認めるけれども、
残念ながら共感できるところは少なかった。
個人的には、幼馴染のいつきのほうが好みということもあって
彼女の言葉や行動のほうが泣けたし、共感できた。
そして自分だったら、いつきを選ぶだろうなと思ったりした。
{netabare}でも一貴たちは別の答えを出した。
伊織も最終的には自分本位になってみた。{/netabare}
彼女の選択は、現実的に考えると賛否が分かれそうだが
物語としてはこういう終わり方が好まれるのかもしれない。
でも、ちょっと甘いなと思ってしまったのは正直な気持ち。
仕事か恋人かじゃなく、第3の選択肢があったら僕としては大満足だったな・・