明日は我が身 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
コップ限界まで注いだ水がギリギリこぼれなかったエンターテイメント特化型の名作アニメ
帝国に捨てられた王子ルルーシュが自分と妹の住みやすい世界を作るために、魔女から貰った不思議な超能力で帝国に反逆をするダークファンタジー風ロボットアニメ。
罪を背負う者の贖罪がテーマのピカレスクロマン。
『続きが気になって仕方がなくなる』という点においてこの作品の右に出るアニメはない。そう断言できるレベルで最高にエンターテイメントしてて面白かった名作。
■■■■■■■■(↓)未視聴者へのおススメ■■■■■■■■
作画やキャラデザのクセがダメ、ロボットが出てくるアニメはちょっと・・・と言う友人は僕の周りにも割といたがとりあえず4話まで見てもらった結果ハマらなかったやつはなんとまだいない。それらの要素がどうでもよくなるくらいにストーリーに引き込まれるのだ。
なので気になるんだけど敬遠してるって人はぜひ見てみてほしい。
なぜランキング上位なのかが納得できるはずである。
なぜ4話なのかというとこの作品一番の特徴である「仮面のダークヒーロー」が登場し、物語の方向性が確定するのが4話だからである。なので新しく見る場合は4話までは見てみることを推奨する。
■■■■■■■■(↓)既視聴者向けの感想(※ネタバレ無し)■■■■■■■■
このアニメは一応ロボットアニメなのでロボットがたくさん登場するが、それらは話のスケールを大きくするための大道具的な役割に過ぎず、あくまでもこのアニメの見どころは主人公を中心として次第に変化していく人間関係である。
特にメインキャラクターであるルルーシュとスザクの対比関係や考え方の変化に注目するとあちこちにある伏線やメタファーが丁寧なので何度でも楽しめる作りになっている。
このアニメが最大に優れていた点は、一見いろんな要素を混ぜすぎに見えて、きちんとそれらがまとまっていてひとつひとつがストーリー進行上意味のある物になっていた点である。
【「能力要素」がある「学園もの」で、多少の「恋愛」描写をスパイスに、「政治的で戦略的」な戦い方をする「正体不明の仮面のダークヒーロー」と「不老不死の魔女」の「贖罪」を描いた「ロボットアニメ」・・・】
こう書くと、普通なら要素が3つも揃えばそれを消化しきれぬ「おなかいっぱい系アニメ」になってしまうだろうところを、ただ要素を並べてみただけではなくそれらをちゃんとシナジーさせてしっかりとテーマを描く上で意味のあるものに昇華し、なおかつ毎話続きが気になる引きで勝負に出るエンターテイメント性も兼ね備えていたので面白かったのだ。
似たように沢山の要素をふんだんに並べた後続作品は後を絶たないがそのどれもがいまいちヒットしないのはこの量の要素たちを脚本が扱いきれないからである。作品要素という水がコップという整合性の範囲から溢れてしまうのだ。
溢れんばかりの水をギリギリまで注ぎ、そのギリギリで破綻しなかったエンターテイメント特化型作品、それがこのコードギアスである。
故に総合的なワクワク度でギアスを超えているアニメはなかなか見当らない。