明日は我が身 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
幻想世界と少年の選択
隠された世界(=あったかもしれない可能性)の置き場所である幻想世界、そしてそれに命を助けられ幻想世界と一体化した少女、古河渚。
故に彼女はそのあったかもしれない可能性を内に秘めた不思議な少女となった。
そして出会う。一人の少年と……。
彼の名は岡崎智也。
僕は1期1話目を見たとき岡崎の「俺はこの町が嫌いだ」というセリフから物語が始まったため、これは岡崎が町を好きになるまでの物語だな、と予想した。実際に事前の予想は当たっていたのだが、演出も展開も良くできていたため圧倒された。
この作品の題名のCLANNADとは「家族」という意味であり、物語開始時点の岡崎にとっては馴染みのない言葉であった。
なぜなら自分の父親のふがいない姿を嫌っていたから。
それが、ヒロインやその家族と関わることを通して「家族」の本質をだんだんと理解してゆき、最後は自分が「家族」を持つというストーリー。
その中で父親の想いを知り、自分も親になるための試練を受ける。彼が真に幸せを望んだとき、幻想世界(古河渚)はそれに応えて世界は再構成されたのだ。そしてこの作品の最終回では町のことを「家族」だと形容していて、主人公の岡崎が数々の人と関わることで町を好きになったという結論に至る。
若干分かりにくい表現もあったが、笑わせるところは笑わせ、泣かせるところは泣かせ、それでいてしっかり書きたいテーマも貫いている。
ただでさえ構成がいいのに演出や音楽まできれいで、映像作品としては申し分ない完成度の作品だなーと思った。
でも最後の方の展開はアニメだけだと説明不足だらけなので多少☆は下がります