てけ さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
魔球のキャッチボール【改稿】
原作未読。
化物語、偽物語視聴済み。
主人公の阿良々木暦(あららぎこよみ)は、ある日、戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはらひたぎ)の体の秘密を知ってしまう。
彼女には、体重がほとんどなかった。
そんな「怪異」と呼ばれる現象に巻き込まれた少女たちを救う話。
……はい、面白かったです。
面白かったのですが、ストーリーは薄く感じました。
起承転結の形はとっているのですが、1話で済むような話に3話も4話もかけています。
しかし、化物語はかなりの人気作。
どうしてそんなに評判が良いのか?
まずは「言葉遊び」です。
ダジャレに始まり、「誰がうまいことを」というようなセリフの数々。
漫才とは違った雰囲気で、会話劇といったほうが近いと思います。
「言葉のキャッチボール」という言葉がありますが、もはや魔球のぶつけ合い。
しかも、原作のおいしい部分を厳選しているため、ぎゅっと濃縮果汁200%です。
阿良々々々々々々木クンは{netabare}(失礼、噛みまみた){/netabare}、そんな魔球をナイスキャッチしてくれます。
そして「キャラクター」。
かなりアクの強い登場人物たち。
ハーレムを形成しているので、男性向けかと思いきや、結果を見ればそうでもない。
女性からも支持を得ているようです。
個性が性差を上回っているのでしょう。
言葉遊びとキャラクターが、魅力の7割くらいを構成していると思います。
では残りの3割は何か?
それは「演出」です。
いくら会話が面白くても、それだけでは飽きが来るでしょう。
また、登場人物が個性的でも、好みというものがあります。
しかし、独特な仕掛けがその隙間を埋め合わせてくれます。
・不思議な色使い
・実写の取り入れ
・一瞬だけ入る解読不能な文字の羅列
・「黑齣」「赤齣」といったカットイン
・極端なデフォルメ
・変化するOPや、印象的なED
見れば一目で分かります。
これでは、退屈して「ながら見」していても、画面に目が引き戻されてしまいます。
まあ、微エロ、微グロなシーンがありますので、子どもとは一緒に見られないのが欠点といえば欠点かな?
ここまでくれば答えは出ると思いますが、テーマは「遊び心」。
{netabare}銅40グラム、亜鉛25グラム、ニッケル15グラム、照れ隠し5グラムに、{/netabare}遊び心{netabare}97キロ{/netabare}で化物語は練成されています。
・テンポの良いシャレた会話
・性別を選ばないキャラクターの個性
・ユニークな演出
これらがうまくかみ合った、ユーモアたっぷりの世界。
その引力は、私のような原作未読でストーリー重視の人間すら引きずりこんでしまいます。
ジャンル分けするなら「化物語」。
他に類を見ない雰囲気がクセになり、たまに見返したくなる、それが人気の秘訣でしょう。
点数評価が難しいですが、言葉遊びをうまく再現した声優に★5.0、演出を作画と考えて★5.0で!