Tuna560 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『∀ガンダム』作品紹介と総評
『機動戦士Vガンダム』以来5年ぶりにガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季が総監督を務め、全てのガンダム作品の終着点となる作品。
(あらすじ)
正暦2343年、月の民(ムーンレィス)ロラン・セアックはムーンレィスの地球環境適応のモニターとして地球の北アメリア大陸に降下した。川で溺れた所を助けてもらったハイム家の姉妹の推薦でハイム家に雇われ、自家用車の運転手に起用されるなど重用され、(偽装)地球人として穏やかな日々を重ねた。
2年後、ロランとソシエ・ハイムは夏至の夜、マウンテンサイクルにおける成人の儀式にいっしょに参加した。時をおなじくして地球と月の2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始した。だが、この作戦はマウンテン・サイクルに封印されていた“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせることになった。(wikipedia参照)
本作は、『機動戦士ガンダム』を始めとした「宇宙世紀シリーズ」の歴史だけでなく、それぞれ独立した世界観を持つ『アナザーガンダム』といった富野監督が制作に携わっていない作品群の歴史をも全て包括して「黒歴史」と呼称されています。
それは全ての『ガンダムシリーズ』を総括したいという思いが込められており、全てのガンダム作品が最終的に行き着くいわば”完結編”とも受け取れる作品内容となっています。
ですので、正直この作品単体を観ても何がなんだかわかりません。
また、それまでのガンダム作品とは異なり、悲惨な戦場の描写は少なく、政治的な駆け引きのシーンが多いのもこの作品の特徴の一つでしょう。これに付け加え、音楽を担当した菅野よう子のスピリチュアルな楽曲と合わせて、今までのガンダム作品にないどこか”神秘的”な雰囲気を醸し出しています。
この作品の第1印象は…正直あまり良くはありませんでした。19世紀の欧米をモチーフとした世界観、シド・ミードのデザインした奇抜なMS…「これは大丈夫なのか?」と誰もが思ったでしょう。
しかし、物語が始まってしまったら最後、気付いたらこの世界観にのめり込んでしまいました。あんなにダサかったガンダムも、動けばカッコいいんですよね。富野監督とシド・ミードに対して「生意気なこと言ってすみませんでした!」という気持ちでいっぱいでした。
ガンダムが好きで本当に良かった、と感じさせてくれた作品です。