takumi@ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
なにげない日常の中にある美しいもの
たった2分の映像の中、実写かと思うほど精密な作画と
小鳥のさえずりに共鳴するかのようなピアノのメロディが流れる中
なにげないいつもの朝の風景が描かれる。
ともすれば見逃してしまいそうなものを、主人公は毎朝
散歩しながらみつけているのかもしれない。
何より、カメラも携帯も持たず手ぶらでというのがいい。
僕も似たような朝の散歩をよくしているけれど、
大抵・・カメラを持ち出してしまう。
写真を撮り、その時の記憶を残しておこうという想いからなのだが
自分の目にやきつけて、その手で触れ、五感で感じながら包み込む世界を
美しいと思えるのも悪くないなと思った。
緑あふれる田園や森林、里山の風景ももちろん美しいが
都会の片隅にだって、ビルとビルの間から見える四角い青空や
窓に反射した朝日の輝きとか、水溜りに映った雲の形にハッとさせられたり
アスファルトを押し上げて咲いているたんぽぽをみつけたりすると
その逞しさに嬉しくなるし、素直に美しいと感じる。
繋がった空の下、僕らは呼吸をし生きている。
もしかしたらただそれだけでも、本当は素晴らしいこと。
この世界が、美しさで繋がっているならどんなに素敵だろう。
大げさなと笑われるかもしれないが、そんなふうに考えてみることは
人間として大切なことのような気がする。
あらためて、そう思わせてくれる作品だった。