Tuna560 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『無限のリヴァイアス』作品紹介と総評
ベスト・オブ・鬱アニメ。
観たこと無い方は、騙されたと思って観て頂きたい。
(あらすじ)
2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは、何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海(プラズマ雲)へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。
教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。なぜか彼らは、自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い続ける。閉鎖された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡って、少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、逃避行を続けていく。(wikipedia参照)
「SF十五少年漂流記」をコンセプトとし、SFとしての設定と舞台が用いながらも、大筋としてはキャラクターの立ち位置と人間関係、心理状態が大きく移り変わっていくことに焦点が当てられています。
少年少女達は閉鎖的な航宙艦の中で、救助の代わりに襲いかかる敵のいる宇宙空間に晒される事になります。しかし、外だけではなく、本当の敵は「内側」にいたのです。
{netabare}リヴァイアスに避難できたのは少年少女は487人ばかり。続く緊張状態、行き先もなく、助かる保証のない旅路…。それに加えて、不良グループによる独裁、傷害事件、暴力による秩序維持を諮る恐怖政治の台頭。混沌とした艦内の激動により、少年少女達の精神が崩壊していく…。
閉鎖的で絶えず緊張状態に陥ったとき、人間はどのように変貌を遂げるのか?憎悪、嫉妬、妬み、裏切り、破壊、暴力…人間の根底にあるドス黒い内面が垣間見え、観ているこっちも気が狂いそうになりました。
しかしながら、本作のテーマは「希望」だと思うのです。
混沌と化した日常の中でも”ポジティブな思考”を持ち、自分の大切な人だけでも守りたいと思う事、そしてそれをやり抜く事が描かれている点に、非常に胸を打たれました。それは同時に「希望」を捨てなかったことなのだと思えました。やり方はどうあれ、結果はどうあれ…。{/netabare}
「何が正義で、何が正しいのか?」
「今置かれてる日常は本当に平和なのか?」
こういったことを考えさせてくれると共に、現実の日常にも置き換えて考えさせられたりもしました。
非常に奥が深く、そして非常に人間臭い作品だと言えます。
(2/1:改稿)