Tuna560 さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『ソードアート・オンライン』作品紹介と総評
川原礫の同名小説のアニメ化作品。
(あらすじ)
2022年、とある大手電子機器メーカーが仮想空間への接続機器《ナーヴギア》を開発したことで、世界は遂に完全なるバーチャルリアリティを実現させた。このナーヴギア対応の初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン (SAO)》は大人気の内に完売し、接続した1万人のユーザーがその世界を楽しむはずだった。
しかし、ゲームにダイブした彼らはゲームマスター (GM) から恐るべき託宣を聞かされる。SAOからの自発的ログアウトは不可能であること、SAOの舞台《浮遊城アインクラッド》の最上部第100層のボスを倒してゲームをクリアすることだけがこの世界から脱出する唯一の方法であること、そしてこの世界で死亡した場合、現実世界のプレイヤー自身が本当に死亡するということを。(wikipedia参照)
基本はゲームの中の世界での出来事が中心で、前半はSAOを、後半はALOを舞台に物語が展開し、一つの作品に多数の世界観が介在するストーリーとなっています。
小説やアニメでファンタジー世界観を描くのはごく一般的なことだが、あえて現実世界と両立させることで、作り出された世界であるMMOの中でも緊張感を醸し出せています。
まぁ…極度な主人公補正やご都合主義的な設定など突っ込みどころは多いですが、あくまでも”ゲームの中の世界”ということで、深く考えない様にして観ていました。
この作品で気に入っている点は、ストレスを感じさせない「テンポの良さ」ですね。飽きさせない演出は凄いと思いました。主人公がヒロインに一途な点や、スピード感あるバトルシーンは個人的には◎。また、最終話を丸々後日談にあてたため、物語としてもしっかりと収め、後味の良い仕上がりとなっています。
個人的な感想ですが、ノリが90年代角川アニメ(『スレイヤーズ』や『爆裂ハンター』など)に近いものを感じ、とても観やすかったです。
作品のテーマとしては、”他人との関わり方”についてを描いていると感じます。主人公のキリトは、自身の生い立ちの後ろめたさから他者との関わりを恐れ、人付き合いも非常に不得手で周囲との壁を作りがちな青年です。
SAOの世界でも自ら嫌われ役を買って出たりと、自ら他者と距離を置くようになった。しかし、一方で情に厚く、優しい性格であるため理解者は少なくなく、アスナやエギル、クラインといったプレイヤーと交流する事で、徐々に他者に心を開く様になる。
また、ALOの世界では自分一人である目的を果たそうとするが、様々なキャラや組織におせっかいを焼き、結果自身のピンチの時に援軍に駆けつけてくれるなど、他者との関わり方に変化が見られた。
他者と関わる事で自身の価値観やスタンスが変化し、人間的な成長を感じ取る事が出来ました。この点で、最終話の口パクのセリフは「一人じゃないんだな、俺は。」ではないかと推測します。
王道なストーリーラインの中にも、しっかりと捻りが加えられていて、とても良いエンターテインメント作品だと思います。