ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
心の葛藤と「虚空世界の戦い」。ストーリーも戦闘シーンも8話にしては見ごたえのある作品でした。
平凡な少女・黒衣マトはある日、奇妙な夢を見る。黒い女の子が戦っている夢。そして、中学に進級し、「小鳥遊」という珍しい名前のクラスメイトに興味を持つ。自分の持っている絵本「ことりとり いろいろのいろ」を好きという共通点で小鳥遊ヨミと友達となるも、ヨミには「ある」秘密があった。その秘密をきっかけに、マトの友達・ユウやヨミの幼馴染・カガリ、学校のカウンセラーであるサヤとともに夢の中の虚空の世界「ブラックロックシューターと戦う夢」に巻き込まれ、心の傷と戦いながら成長していく物語。全8話
全8話という短い作品だったので、手軽に見たいと思い手を出しました。
名前に興味を持ち、友人となったヨミには自分のせいで動けなくなってしまった少女カガリに縛られていた。カガリは唯一の友達として接するヨミを恨みいっぱいに縛っている。そのヨミと仲良くなったマトを恨み、それを許したヨミをも恨むも、マトの必死の説得により、虚空の世界での存在をブラックロックシューターに殺されることで浄化される。しかし「浄化」されたのではなく、虚空の世界の存在の死により「痛む心」を「記憶ごと」消してしまっていたのである。同じく告白を茶化され傷ついた先輩・アラタも同じ状況になっていた。浄化されたカガリは学校に復学し、友達を作ったことで、頼りにされていると思っていたヨミはその行為を裏切りと感じ、マトの親友であるユウと仲良くするマトをも信じられなくなってしまう。マトはユウにより、虚空の世界の存在「ブラックロックシューター」を知り、苦しみ続けるヨミを救おうとするも、マトも心の傷に気づき世界の飲み込まれてしまう。マトを助けるためにユウは自らの正体を明かし、サヤとともにみんなを救おうとする。。。。
出てくる少女たちは人間関係に傷つき、悩んでいる。「友達」とはなんなのか。親友や自分のせいで動けなくなってしまった少女。友達の家の火事を少女のせいと思い込んでしまった少女。それらを裏切りと感じ、傷ついた心は、虚空の世界で、戦う少女の姿となり、果てし無き戦いを繰り広げている。それは、その存在の死によって傷ついた記憶を忘れてしまうということ。少女たちの心の均衡を守るためだけに、少女たちは激しい戦いで傷つき、それでも戦っている。現実世界の少女たちも心の葛藤と戦っている。虚空の世界(夢)とはそのための世界でした。
激しく続く心の葛藤との戦い、そして虚空の世界の戦い。その中で「ブラックロックシューター」であるマトが導き出した答え、それが最後、マトが口にする「痛くしてごめんね、私も痛くなるから、一緒に痛がろうよ。」それが彼女たちの答えだと思います。
エヴァの「ハリネズミのジレンマ」と同じ、近づくために互いに傷つけてしまうというような人間関係。痛みを知ることで互いの距離感を確かめ、友情を深めていく。そんなことが描かれていたと思います。
作品的には、物語もわかりやすく、ブラックロックシューターたちの戦闘もかなりこだわって作られていましたね。迫力がありました。マカロン攻撃は結構面白くて好きですね^^少女たちの叫びも悲痛でした。
花澤さんの演技も良かったですね。彼女の声もようやく最近聞き分けられるようになった気がします。
ラストの4人が天に向け手を差し伸べる姿が感動的でしたね。なかなか面白い作品だったと思います。