Tuna560 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『蒼穹のファフナー』作品紹介と総評
「島・ロボット・群像劇・少年少女」をキーワードに企画されたオリジナルロボットアニメ。
(あらすじ)
未知の生命体”フェストゥム”によって侵略された地球で、孤島”竜宮島”を舞台に少年たちが巨大ロボット”ファフナー”に搭乗して島を守る。
「あなたはそこにいますか……」それこそ正しく未知の生命体“フェストゥム”による侵攻の合図だった。突如飛来した金色に輝く美しき“敵”は平和な島を一瞬にして地獄へと変える。島の大人たちはフェストゥムに対抗すべく組織された“アルヴィス”の人間だった。彼らにより、島は武装した要塞へと姿を変え、死力を尽くした抵抗が始まる。幼馴染みの皆城総士に促されるまま、一騎は人型決戦兵器・“ファフナー”に搭乗する。なんの疑いもなく信じていた世界は偽りだった。仰ぎ見ていた美しい空も偽りだった。祖国日本は既になく、人類はフェストゥムの侵略で全滅の危機に瀕していた。
一騎は尋ねる。「俺たちはどこへ行くんだ?」。総士は答える。「楽園だよ」。こうして、少年たちは人類の存亡をかけた激しい戦いの渦に巻き込まれていくのだった。(wikipedia参照)
ストーリーに関しては、『天地明察』や『マルドゥック・スクランブル』の冲方丁が関わっているという点もあり、よく構成されている印象を受けます。
ロボットアニメでありながら、戦闘ではなく対話によって平和の道を模索するという点、日常シーンの描写が丁寧である点は本作の特徴の一つといえるでしょう。
しかし、この作品の魅力は「少年少女とファフナー」の設定でしょう。
この作品に出てくるロボット(ファフナー)は子どもしか操縦が出来ません。つまり、前線で戦うのは必然と子どもがほとんどなのです。戦いへの恐怖、友の死、親の感情…所謂「鬱アニメ」なのですよ…。しかし、その切なく儚い物語は、話数を重ねるごとに感動へと変わっていきます。
そして”フェフティム”が放つ言葉「あなたはそこにいますか…」がこの作品のテーマだと思います。
この問いに対し、「Yes」と答えれば同化現象が起こりこの世から消えてしまう、「No」と答えれば攻撃を受ける事になります。
自分の存在、生きる意味、恐怖、怒り…戦いのさなかに感じる極限状態の感情や思考は様々でしょう。それらを克服し「生きたい」という強い気持ちを保てるか、という事がこの作品の戦闘では描かれているのではないかと感じました。
つまり、土壇場の状況において「あきらめず、生き延びる戦いが出来るか?」ということを問われ、少年少女の選択を見守る作品なのではないかと思います。
TVシリーズとしては初の続編『蒼穹のファフナーEXODUS』の制作も決まっていますね。
2000年代ロボットアニメの名作だと思います。
(1/30:追記)