Tuna560 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『機動戦士Vガンダム』作品紹介と総評
ガンダムシリーズの中で最も残酷なストーリー。
宇宙世紀最後の物語にして、私が初めてリアルタイムで観たシリーズでもあります。
(あらすじ)
宇宙世紀0153年、地球連邦政府は形骸化し、宇宙に存在する各サイドは各地で紛争が勃発する「宇宙戦国時代」に突入していた。
そのなかでもサイド2に存在するザンスカール帝国はギロチンによる恐怖政治と、救済と慰謝を基調とするマリア主義を掲げて急激に民衆の支持を獲得し、地球に向けてベスパと呼ばれる帝国軍を派遣した。ベスパはヨーロッパの都市 ラゲーンを制圧下に置いた後、地球侵攻のための拠点とする。また、ザンスカール帝国への抵抗活動を続けている組織 リガ・ミリティアの構成員たちも、それに対抗してヨーロッパで散発的な抵抗を始める。
こうした中、ヨーロッパの都市 ウーイッグ近くに存在するカサレリア近辺にてパラグライダーを操っていた主人公の少年 ウッソ・エヴィンはベスパのMS シャッコーとリガ・ミリティアに所属する小型戦闘機との戦闘に巻き込まれ、シャッコーに引っかかり取り付いた挙句、パイロットを引き摺り落としてMSを奪ってしまう。
これを発端に、その後ウッソはリガ・ミリティアと共に、数奇な運命をたどることになる。(wikipedia参照)
物語序盤は明朗活発な主人公ウッソ・エヴィンが幼馴染のシャクティ・カリンや憧れの女性カテジナ・ルースを守るためにガンダムに乗り込み、トリッキーな戦法で敵を打ち負かすというシンプルな活劇としての方向付けがなされていました。
しかしストーリーが進むにつれ、マリア教を背景とした民族主義など難解なテーマに重きが置かれるようになっていきます。また、ギロチンで主人公の仲間の首がはねられたり、敵のパイロットが非武装の民間人の虐殺を楽しむような描写や、戦闘の際に機体を破壊するのではなく、コクピットを潰したりビームサーベルで中のパイロットを焼き殺すなどの残酷描写も多くあります。
この作品の魅力は…ガンダムシリーズでも際立った「鬱展開」でしょう。名前のあるキャラは軒並み戦死してしまう展開は、ストーリーに緊張感を与え、ウッソとカテジナの心理の変化を促す。
「死」を乗り越える、「死」に立ち向かう深い人間ドラマは必見です。
「鬱」に抵抗が無い方にはお勧めしませんが、ガンダムファンであれば必見の作品です。
(初見の方は、次回予告を見ない様に!!)