Tuna560 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『機動戦士ガンダム』作品紹介と総評
アニメ史における歴史的大作。
今現在、30年以上にも渡ってシリーズ化され、ロボットアニメ作品の中で続編・派生作品が最も多いシリーズであると言えるしょう。
今となって観直すと、作画的に厳しいという意見はあるかもしれませんが、アニメというのは作画が命ではありません。これを観なければ、”ガンダムを知ってる”とは言えないでしょう。
(あらすじ)
スペースコロニーへの宇宙移民が始まって半世紀あまりが過ぎた宇宙世紀0079年。地球から最も遠いコロニー群サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦からの独立を求め、独立戦争を挑んできた。連邦軍の圧倒的な戦力に対して、ジオン軍は人型機動兵器「モビルスーツ(MS)」を実戦投入し、戦争は膠着状態に陥る。
サイド7に住む少年アムロ・レイは、コロニーに侵入したジオン軍MSザクの攻撃に巻き込まれ、偶然が重なって連邦軍の開発したMSガンダムのパイロットになってしまう。ガンダムの母艦であるホワイトベースは正規乗組員のほとんどを失い、アムロをはじめこれに避難した少年少女たちは、生き残った乗組員達と協力しながらサイド7を脱出する。しかし宇宙には、「赤い彗星」と呼ばれるジオン軍のエースパイロット、シャア・アズナブルが待ち構えていた。
宇宙や地球の激戦地帯を転戦しながら、さまざまな人々との出会いや戦い、そして別れを経て悩み傷つきながらも成長していく、アムロたち少年少女の姿を描いた物語である。(wikipedia参照)
30年もの間、シリーズ化がされた事にはしっかりとした理由があると思います。
これについては、多様なファン層を見ていくと紐解く事が出来るでしょう。大まかに分けると、3つのファン層に分類出来ます。
1.リアリティー重視派
リアルな戦争描写や登場人物の思考などの考察することを好むファン層。
人と人が戦争をするという事は、それぞれの”思想や正義”が存在し、それを描く人間描写は通常の子ども向けアニメより難解になります。これにより、連邦軍とジオン軍の両方の視点を観る事ができ、設定や考察に深みが生まれる。いわゆる”勧善懲悪”ではないリアルな展開が最大の魅力だと思います。
さらに、奥行きのある登場人物の存在も大きい。戦争による閉鎖的な極限状態により変化する人物の心境は、それまでのアニメにはない”重厚でリアルな心理描写”を生み出しました。
2.ストーリー重視派
歴史的なストーリー、SF要素を好むファン層。
本作の特徴でもある”史実的な設定”は、ストーリー自体にさらに深みを生み出しました。この設定があったからこそ続編との繋がりを深くし、シリーズとしての強みになったと思います。
また、SF要素である”ニュータイプの概念”もヒットの要因の一つでしょう。最初はアムロに超人的活躍をさせるための設定でしたが、”人の革新とは何か”というSF哲学的なテーマへと発展しました。
3.ミリタリー重視派
登場機体の裏設定や考察を好むファン層。
登場するロボットは「モビルスーツ」と呼ばれ、”現実の兵器”に近い描写が行われています。例えば、量産機の概念や試作機という設定がそうです。この設定により、実際には登場してはいないが『こういう試作機があったのでは?」ということを楽しむ事が可能になりました。放送終了後に起こった「ガンプラブーム」がその一例でしょう。(「MSV」など)
上記に観られる様に、多様なファン層を獲得する事により、今現在でも根強い人気を誇る作品となったと考えます。30年にも渡ってシリーズ化をした作品は伊達ではありません。
劇場版3部作があるおかげで、未見の方にも入門しやすいと思いますね。
ガンダム入門をする場合は、この作品から入る事をお薦めします。
(1/15:改稿)