メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
要するに下半身に問題がある男の子が、相手の立場も考えずに、さかっている日々、その仕業の結末を描いている、と。
あなたはいろんな人を好きになり、関係をもてますか?と最初は思った。別にそれは構わない。そういう人がいても許せる。たぶんだけど。責任ある行動であれば構わない気もする。僕がそう行動するという意味ではなくて。
少しずれるが、ボクは、アラン・ドロンが主演した「太陽がいっぱい」とその原作の名作「リプリー」を足して2で割った上に、ラディゲ「肉体の悪魔」の示した人生の残酷さをこの作品に重ねあわせてしまった。問題作であることは間違いない。
誰にでも勧めたい作品でもない。
------------------
あきらめず最後まで通してください。さもなくば作品の味がわからないし、記憶に残る作品にもなりえない。
新しい高校生活における普通の片思い的な思春期の恋愛のはじまり。最初は綺麗にかつ、すなおに導入がスタート。
それはほんのプロローグにしか過ぎなかった。単なる高校生の恋愛事情の物語ではなかったのだ。見続けないとそこはわからない。
鑑賞しおえて自問してみた。少なからず、こころあたりのある男性は、身が縮む思いで鑑賞するのだろうか。それとも、そういう人は、やはり周囲に責任転嫁したりして、気にしないのだろうか。その意味でかなり考えさせられたる作品となった。
もしこの作品に{netabare}
10話以降がなければ、苛つく主人公伊藤誠に対する、嫌悪感だけが残る作品になったろう。これは多くの人が感じる共通概念のような気がする。だけれども、ラストが多くの観る側の溜飲を下げたのかどうかも疑問に残る。
サカリのついた犬猫のように、女の子を食いまくり、かつ責任を常にとることがない誠にじわじわと、嫌悪を覚え作品世界の中にはいって、女の子たちにかわって成敗したくなってきた。
{/netabare}
エンディングへの流れは、
{netabare}
1-11話からみごとに導出されている「ひとつの可能性」だ。裏切られた女が背徳の男を殺め、病んでしまった別の女が、裏切られた女の腹を切り裂く。それは、男にとっては、女達からの当然至極の鉄槌であり、女たちにとっても当たり前の権利だったのかもしれない。
一般的な、倫理観を逸脱しすぎる怖さ、人間の奥深いところにある怖さ、愛憎のもたらす怖さ、などでは説明できないラストが最後には待っていた。おみごと。
{/netabare}
ギャルゲー原作らしいというのは、かすかに聞いた覚えがあった。だからといって、放送するわけだから、いろいろな意味で過剰な展開はないのだろうとも想像していたのでした。