優馬 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夏目君とにゃんこ先生の人生訓 第一期 人も妖怪もみな心はつながるんだよ
<はじめに>
「夏目友人帳」は、緑川ゆきによる日本の漫画作品を原作としたアニメ作品。
人に見えないものが見えてしまう少年が同じ能力を持っていた祖母レイコの歩んだ道を友人帳に載っている妖怪との出会いをもとに経験し、自身の心の成長と本当に友人ができていく様を描く。
少年を守り、貴志の知らない祖母レイコの話をして、彼を導いてくれるのがにゃんこ先生である。
夏目少年にとってにゃんこ先生は、人生における先生になる。
いつものように妖怪に追いかけられる中、しめ縄がかけられていた祠の縄を切ってしまうと祠から招き猫が現れる。
招き猫は自らをにゃんこ先生という。
OP/ED共に素晴らしい曲である。
<友人帳とは>
夏目レイコが妖怪と戦い、勝った証として名前を書かせたものでその名前を呼ぶと使役されてしまう。
夏目貴志は夏目レイコにそっくりなため、妖怪たちから見るとレイコに見えてしまう。
妖怪たちは名前を返して欲しくて夏目貴志のところへやって来る。
名前を返すには、妖怪の顔を思い浮かべ出てきた名前の書かれた紙を口に加え、息を吹きかける。
その瞬間に妖怪とレイコの出会いの思い出と妖怪の心を見ることができる。
レイコが人間からは嫌われ疎まれていた人生を送りながら、妖怪を友としていった悲しい人生を垣間見ることで、同じ人生を歩んでいる貴志の心を救う。
<登場人物>
◆ニャンコ先生 声 - 井上和彦、小林沙苗(女子高生姿時)
正体は「斑(マダラ)」という大妖怪。(上級妖怪)
普段は依代である招き猫の形をしているのだが、封印期間が長かったせいもあり、招き猫の姿に相当馴染んでいる。
偶然、貴志が封印を切ったことから結界から解放される。
レイコとは知り合いだったが、勝負を避けてきたため名前は書かれていない。
友人帳が欲しくて貴志の用心棒をするというのだが、真意は本人しかわからない。
貴志とは友情を深めていき、お互いがいないといけないほどの深いつながりができていく。
貴志が妖怪についての知識不足から不測の事態を招くとき、ニャンコ先生が助けてくれたり、知識を教えてくれる。
本当に先生のような存在。
招き猫の形をしているときは、人間でも見えることから貴志がブサイクな猫を飼っているとしか周りの人間には見えない。
しかし、猫なのに声は聞こえるので人前では猫の真似をする。
依代の形は、招き猫の形態なのだが、妖力を使うことで人間の外見を持つこともできる。
その場合には、何故か女子高生である。キャラ立てによくわからないこだわりがあり、一説によるとにゃんこ先生版のレイコ似らしいのだが、よく見ている人間に似やすいからだという説もある。
◆夏目 貴志 声 - 神谷浩史 、藤村歩(少年時代)
本作の主人公、幼い頃に両親を亡くしてしまう。子供の頃から妖怪が見えていたが、それが彼にとっては普通のことだが、周りはそれを信じないため、最初のうちは両親がなくなったせいで、そういう子になってしまったと思われていた。そのうち嘘つき呼ばわりされて誰も相手にしなくなり、やがては気味悪がられるようになる。
貴志自体は、最初のうちはみんなも見えているものだと思っていたらしいが、途中から気がついて何も言わなくなってきた。人から距離を置くようになったが、時々一人で叫んだり走り回るなど変な行動をとることから、気持ち悪い子というレッテルを貼られ、そのため親戚中をたらい回しにされていた。
現在は、遠縁の藤原夫妻が貴志を引き取りたいとわざわざ親戚中を説得してくれたことで初めて人の温かみを知った生活ができるようになってきた。
隆志はこの生活を守るために藤原夫妻には妖怪のことを悟られないようにしている。
普通の人間では見ることも触ることもできない妖怪を殴ったり蹴ったりすることができる。持っているパワーが大きいせいか、かなりの威力があるのだが、貴志本人はこれに気がついていない。時々知らず知らず使ってふっ飛ばしている。レイコも同様の力があったことから妖怪から恐れられている。
◆夏目レイコ 声 - 小林沙苗
夏目貴志から見て母方の祖母で「夏目友人帳」を作った人。
妖怪たちの話から美人であったという、レイコの名前は妖怪の中では相当有名。
不明なことが多く有り、まず死因が不明で結婚せずに子供を産んだという件で、男にだらしなかったと親戚には言われているがそれも不明。
レイコのことを知る妖怪からは、傍若無人で怒ると怖いなどろくな話を聞かされないのだが、ほとんどの妖怪から懐かしがられていることから嫌われていたわけではないことがわかる。
人間との折り合いが悪く、気味悪がられ、いじめにあい、石を投げつけられるなど暴力まで振るわれていたのに、いつも笑顔で明かるく振舞っていた。
貴志を引き取ってくれた藤原家の主人藤原滋は子供の頃、レイコと親しかったようだが滋はよく覚えていない。
回想シーンに登場するときは、長い髪にセーラー服姿
◆藤原 滋 声 - 伊藤栄次 、加藤奈々絵(少年時代)
遠縁で身よりもなく血縁関係でない貴志を引き取った。
落ち着いた雰囲気を持つが子供の頃はわんぱくでレイコと交流があった。しかし、今はレイコの顔を覚えておらず、貴志が孫だとも知らない。
何も知らないようでいて、多少の妖気や貴志の気持ちの汲み取りもできるようで、知らないふりをしているが理解をしている。
ニャンコ先生を愛情を込めて「ニャンゴロー」と呼ぶ
◆藤原 塔子 声 - 伊藤美紀
夏目の父方の遠縁で、身寄りのない彼を引き取った。
心優しくおっとりとした女性で、まだ幼さが残る夏目のことを「貴志君」と呼びながら本当の子供のようにとても大事にしている。
料理上手で、定評がある。ニャンコ先生にも人間のように同じ料理を食べさせてくれる。ニャン吉くんとかネコちゃんと呼んでペット扱いではなく家族のように接している。
<おわりに>2期に向けて
1期では、この物語の世界感やレイコ、貴志の生い立ちなどの話を交えながら妖怪とのつながりを追い求めていく。
出現する妖怪も性格が良いものや人と仲良くしたものを比較的に出しながらも、悪意のあるモノも混在していることを知るようにしている。
ニャンコ先生からの説明によって視聴者自身も貴志やレイコを投影して疑似体験し、ああそうなのかと納得しながらこの物語の設定などを理解していく。
この先に向けて夏目友人帳という物語を楽しむことができるように構成されていると感じる。