CC さんの感想・評価

4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

この作品に出会えて良かった。

　舞台背景は1969年(昭和44年)の東京下町。『8時だョ!全員集合』が放送開始された年になります。ジャンルはSFラブロマンスですかね、言葉で括るのは難しい作品です。全26話です。

　主人公「まりん」は捨て子の長屋住まいで貧乏な生活をしています。13歳のおてんば娘で、いつも明るく元気な子ですが、その彼女が待ち受ける運命は残酷な事ばかり。とても悲しい気持ちになります。しかし、どんなに辛く残酷な事があっても、長屋に帰ると優しく暖かく迎えてくれる家族愛が満ち溢れていて心が震えました。時には、切なく重い雰囲気の中で突拍子もない昭和ギャグを言ったりするので、私自身、視聴している中で救われた所もあります。この作品ほど、落差が激しい作品はまだ見たことがないですね。

　SFではあるものの専門用語は少なく、理解しやすい。『ブリガトーンとは？』『まりんの正体』『メランの任務』この三点が物語を見ていく上で、常に引っかかってくる所なので見出したら止まらないと思います。意外な事が伏線になっていて、後半の怒涛の回収には熱くさせられたり、笑ったりしました。一話冒頭でまりんが神社で「背が伸びますよーに、遠視が治りますよーに、成績が良くなりますよーに、ウチにもうちょっとお金がはいりますよーに、もえちゃんとずっと仲良しでいられますよーに」と願いをするのだけど、これも伏線です。巧みな伏線もあれば雑な伏線もあってユニークですよ。
　数々の辛い現実が「まりん」と「メラン」を大きく成長させていき、そして迎える最終回はとても感動的です。


　私はこの作品が本当に大好きです。幻想的な雰囲気のOPから、まりんの口癖「あっはーん」、激しい戦闘描写、そしてありがちとは掛け離れた物語。視聴し終えても、時折、心の奥底で「まりんとメラン」の事を考えてしまう始末。私は、常に色あせない作品を探し求めています。本作は10年以上前の作品ですが、今でも十分楽しめる作品、色あせない作品だと思っています。『隠れた名作』ではなく『名作』として名を残していってほしい作品ですね。まだまだ、アニメというエンターテイメントのジャンルは素人の私ですが、本気でオススメする作品です。

　噛み砕いた感想は書いていませんが、たくさんの方が視聴されたら書いていこうと思います。だから見てください。