Tuna560 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『The Sky Crawlers』作品紹介と総評
森博嗣の同名小説を『攻殻機動隊』の押井守監督が映像化した劇場作品。
「戦争」と「生死」をテーマにした作品。
(あらすじ)
「キルドレ」と呼ばれる、子どものまま大人に成長し、永遠に生き続ける人たちが存在する世界。そのキルドレを「戦争請負会社」が戦闘機パイロットとして雇い、戦争を代行をする世界の物語。(wikipedia参照)
戦争をテーマにしているが、一般の戦争映画と違い、戦争の背景や自国・敵国の描写は一切無く、戦闘機のドッグファイトシーンがあるのみである。これは戦争映画にしては非常に珍しい。
人物名は日本風ではあるが、地図の表記はヨーロッパの様に思える。おそらく実際の世界とは別の世界だと思われます。
戦争よりもむしろ、この物語では「キルドレ」の存在の方が重要だ。
「死ぬことの無い人間」だからこそ戦争に担ぎだされるが、戦争をすることによって「自分が生きているということを再確認出来る。」というところがこの物語の面白い所である。
主人公の函南はキルドレであるが故に、物事をあまり深く考えず、気のままに生きている節がある。
しかし、上司である草薙と接することにより考え方が変わり、超えられない壁を超えようとする。
その時に発した言葉が「…I kill my father.」である。
生きている間に、変えられないことを変えたい、またはそのことを草薙に見てもらいたい。
その描写は無いが、そう受け取ることが出来る。実際、エンドロール後の草薙の台詞は興味深い。
一般ウケはしない作品であるが、視聴者に心情の把握を委ねる深いストーリー、美しい戦闘描写は一見の価値ありである。