ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
笑ったり、泣いたり、歌ったり、5人の少年少女が精一杯送る青春のひとコマ。
一年前の発表会での失敗でコーラスを外され教頭先生に「才能が無い」と言われながら歌うことを諦めない来夏。
来夏を応援しながら騎手を夢見る紗羽
部員が一人しかいなくなり廃部寸前に追い込まれたバドミントン部で黙々と練習に励む大智
帰国子女で日本の生活になれようと忙しい日々を送り、その中にヒーローへの熱き思いを秘めるウィーン
母の死をきっかけに音楽科から音楽への情熱を失い、普通科に転籍しながら音楽への想いを捨てきれずにいる和奏
この5人が、それぞれの夢や想いを叶えるため助け合い、それぞれの悩みや不安をわけあい、歌ったり、悩んだり、迷ったり、突っ走ったり、泣いたり笑ったりしながら成長していく様を「歌」を中心に描いた 青春学園物語。
歌への思いを捨てきれず、声楽部とは別に合唱部を作る来夏。親友で弓道部の紗羽の助けを借り、廃部寸前のバドミントン部の大智、帰国子女のウィーンと、音楽への想いを失い、音楽科から転科し、「名前だけ貸す」という名目で和奏とを誘って「合唱時々バドミントン部」を設立。
そこから5人の面白い学園生活が始まる。
画も綺麗で、人物描写も簡潔かつ深く描かれており、物語自体もわかりやすい内容だったと思います。
歌に熱い思いを秘める少女、その少女を支えながら自身の夢と現実に戸惑う少女、一人で黙々と部活に打ち込み、夢を諦めない少年、慣れない日本での生活に慣れようとみんなと一緒に行動する少年、そして、音楽に熱い思いを秘めつつ、過去のトラウマから音楽と決別しようとしている少女。それぞれの夢を追いながら、歌ったり、踊ったり、悩んだり、応援したり、ヒーローになったり、と忙しい夏を過ごし、みんなで頑張ろうと決めた学園祭が大人の事情で中止になったり。でもみんなの思いを込めた、「合唱時々バドミントン部」だけの学園祭での発表。
雨上がりの野外ステージ。陽の射し方が印象的でした。雨が止みステージの開始とともに徐々に雲が切れ、陽が射し込んで5人の充実感漂う顔が明るく照らし出されていく。このシーンで泣けてきちゃいました。そのあとの歌やステージでは涙が止まりませんでした。これが「青春」なんだな、と。
そして、それぞれの道を歩み始める5人。再び音楽の道へゆく和奏、騎手になるため海を渡る紗羽、みんな素敵な旅立ちでした。
恋愛要素は薄かったですが、終盤に描かれる大智の淡い恋心の描き方も良かった。美術部の友人に交換条件で紗羽の写メを頼まれ、紗羽が一人で振り付けの自主練習の姿を見、その姿に見とれて、自分の想いに気づく大智。最高の笑顔の写メを撮りながら、友人には別の写メを渡し、「笑顔の写メ」は自分で保管する姿が、学生らしい恋心の描き方でとても良かった。最終回の空港でのシーン。言葉は聞こえませんでしたが、思い切って告白したんでしょうね。少し照れる二人の姿と飛行機を見送る大地の姿の描き方が素敵でした。
主要キャラ以外でも、教頭先生や校長先生、みんなの親や学園の生徒たちも最終的にはみんないいヤツばかりでした。
教頭と和奏のお母さんのエピソードも良かったですね。「西之端ヒーロー・ショウテンジャー」も良かったですね。
なにげに、ガンバライジャーのガンバレッド、檜山くんが熱く吠えてますね^^チョイ役ながらなにげに好きでした。
作品で流れる楽曲や「Dreamer」「潮風のハーモニー」「心の旋律」「白浜坂高校校歌」「リフレクティア」「radiant melody」、、、どの歌もとても良かったです。
物語も13話ながら内容のしっかりした良いストーリーだと思います。
5人のそれぞれの思いを込め、精一杯笑ったり、泣いたり、歌ったり、ちょっと恋模様もある青春のひとコマ。とても楽しく見させて、楽しませていただきました。とても良い作品ですし、あにこれタグで言うならば、「もっと評価されても良い作品」だと思います。