maruo さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
うる星やつらが苦手だった私が楽しめた A
原作未読
高橋留美子作品の独特のドタバタ感が幼い頃から何となく苦手でした。
と言っても、当時、アニメは選べる程あるわけではなかったので、うる星やつらは苦手といいつつも毎回見ていました。
そんな私が、この歳になってうる星やつらの映画を手にとって見てみることとなるとは、全く考えもしませんでした。
きっかけとなったの出来事は3つ。
一つ目は、ある方の生涯のベスト10の第1位がこれだったこと。
二つ目は、レビューによると高橋留美子が原作と違うと怒ったらしいこと。
三つ目は、ある方とのメッセのやりとりで、ドタバタ苦手でもイケルと思う、とご推薦を受けたこと。
実際に見てみると、こんなキャラいたな~という懐かしさこみ上げてきましたが、それに浸っていたのも最初の方だけ、中盤以降、これ、本当にうる星やつらだよね?という妙にそわそわするような気持ちで見入ってしまいました。
絵の古さなどは当然ありますが、テーマや演出、表現手法など古臭さを全く感じさせないものばかりです。
仮に絵が現在ふうだったとして、今年の作品だよと言って見せられたとしても、全く違和感がないでしょうね。
現在のアニメに見慣れた人からすると、新鮮味は感じられないかもしれませんが、普通に楽しむことができると思います。
これが30年近く前に作られた作品であるということを考えると、普通にお勧めできてしまうことが驚異的なのだと思います。
本作のテーマが誰にでも共通な普遍的なことを扱っているだけに、いつまでも朽ち果てることがなく、現在でも新しいと言えるのだと思います。
そのテーマを漠然とでも書いてしまうとネタバレになってしまいますので、ここでは伏せておきます。
うる星やつらに馴染んでいる我々の世代は、すんなり見入ることができると思いますが(別の意味の違和感は感じるでしょうが)、全く知らない世代は、主要な登場人物の性格(性癖?)を理解してからの方が、より楽しめると思います。
「諸星あたる」
主人公。楽観的かつ極度のアホ。また、無類の女好きでガールハントが得意(成功率は余り高くないらしい)。他の女に目移りしては、ラムから電撃のお仕置きを喰らっている。
「ラム」
ヒロイン。地球侵略のためにやってきた鬼型宇宙人の娘。勘違いからあたるの婚約相手となったことで諸星家に住み着く。あたるのことを「ダーリン」と呼び、心底ほれ込んでいる。頭に小さな角が二つあり、縞模様のビキニを着用している。空を飛び、電撃を放つことができる。
「面堂終太郎」
面堂財閥の跡取り息子。容姿端麗、秀才、運動神経抜群で女性には優しいが男に対してはキツイ。日本刀(村雨)を帯刀しており、あたるに馬鹿にされると遠慮なく切りかかる。極度の暗所恐怖症・閉所恐怖症。自家用ヘリを使って登校したり、戦車や軍用機を持ち出してくることがある。
とりあえずこれだけ知っておけば、楽しむのに何ら支障はないと思います。
古いという理由だけで敬遠する人には敢えてお勧めしませんが、新旧問わず良いものは良いとお考えの方は、この作品にもチャレンジしてみていただきたいと思います。
最後に、高橋留美子ファンの皆様、申し訳ありません。
具体的な指摘を伴わずに苦手というのは本来大変失礼なのですが、非常に感覚的なことなので何卒ご容赦ください。
また、作品の好き嫌いとは別に、高橋留美子さんのことは、同郷の大先輩として大変誇りに思っております。