メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
自分の中では、名作中の名作のひとつ。そして、最高の季節外れの花火だった。
映画公開の予習と復習でまたまた見直してしまいました。^-^;
■こんなに泣かせる、せつないアニメははじめてだ。
完全に脱帽。
ストーリーの流れは:
低学年の頃、仲良しグループの一人の少女が{netabare}川の不慮の事故で死亡する。その少女メンマ/芽衣子が当時のままより少しだけ成長した姿で主人公ジンタンのもとに<幽霊>になって戻ってくる。そのメンマには叶えられない願いがあった。
当時の超平和バスターズの仲間たちにその願いを叶えたいと協力を申し出るじんたん。彼らは離れたり協力したりを繰返しながら、心のどこかでメンマにいなくなってしまってほしくないという二律背反の気持ちを抱くじんたん、それぞれの異なる思いを込めて、最後の数話、{/netabare}ラストへとストーリーは突入していく。
■歴史に残る名作です
あまりの見事さ=あざとさ、に敬服します。少年期に戻った気分。この作品のドラマ性は並大抵ではないし、心理的な動きの微細な変化を感じ取れる演出にも驚きを禁じ得ません。
作品の中心にあるめんま以外の性格付は、現実的でキャラクターも一部変態的行為もあるものの等身大に感じ、それぞれにある心の陰影描写がみごとなものでした。
カジュアルにトラウマという言葉を使うのは避けたい私ですが、主要登場人物6人の秘密、生活習慣などの一部が適度に露になっていく様にどっぷりとはまれます。
個人的には「あ鳴」が、過去の言動、現在の行動、他との絡みなど魅力的で、立ち位置が面白いのです。彼女がこの物語をだんぜん面白くしているような気がします。人物構成を図にしてみるとよくわかる。彼女がこの物語の中核といってもいいぐらいです。
■総合
結果、物語はびっくりするほどよかった。キャラ作画はおおむね好み。背景はかなりいいが、いまいち。盆地のロケハンはGoodというか、背景にほっとおいても変化が出る。CGはまぁまぁですがそんなことはこの作品には関係がない。
■この物語は終わらないでほしかった。ずっといっしょにいたかった。
意外だった鶴子の思い、単純だが複雑だった鳴子の思い、そしてぽっぽの思いが終盤あきらかになるが、ぽっぽの引きずる罪悪感は現実に置き換えて考えてみれば、計り知れないほど大きなものではないかと思う。明るいキャラをそれまで演じさせながら、それを最後に開けてみせた脚本はほんとにうまい。
ただ、 {netabare}じんたん同様、ボクもメンマにはこの世から去っていってほしくなった。 {/netabare}ずっと、この物語の中に埋もれていたいと思った。
展開の予想・期待を裏切られることはないが、そこが評価点でもない。そういう作品。シリーズ構成、最高。脚本も完璧といってもいいでしょう。{netabare}花火を止めようとするじんたんの心の動き{/netabare}の描写は特筆モノでした。
もっていきかたとして、6人の相互関係の微妙さ、あやうさみたいなのものを完全に突き崩してしまえばグレアム・グリーンになるが、そうでない希望が持て、且つ予想できるハッピーエンドで終わったことには素直に安堵してしまった。
■蛇足
それにしても、とにかく一番だいじな物語性が秀逸だったのには、驚いた。また、ロリコン系かよ、というファースト・インプレッションをいだいたのは間違いだったのを認めます。ほんとうに、ごめんなさい。
たぶん、10度は繰り返しましたが、いつも号泣。日本製テッシュなしでは観ることができません。
■蛇足2
{netabare}
半年以上寝かせて観る必要はなかったかもしれない。評価が定まった頃、忘れた頃にまとめて一気に観た。何度か一話冒頭だけ観てやめていました。ほんの数分のところ。じんたんの家の前を通り過ぎる高校生カップルが「お前のおっぱい最近大きくなったよな」っていうところで、やめてました。なんじゃい、と。(^_^;) {/netabare}