こーーち さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いわずと知れた名作。だけど・・個人的な感想とラストの考察・証明。*完全なネタバレを含みますので、全話見た方のみがみてくださると助かります。【完全修正版】
まず、あくまでこれは個人的な考察に基づく個人的な意見です。ご了承ください。
あと、せっかくのネタバレレビューなので自分なりの、この作品のラストの考察・解釈を長々と書かせていただきました。
《内容と内容の考案》*本当に長くなります必要なければ飛ばしてください
【内容】
・主人公と、ヒロインのその後を描いたストーリーです。
まさに王道恋愛アニメで、きゅんとする場面も多々でてきます。
しかし、その反面、物語の冒頭に、物語とは関係ないような、意味深なナレーション、世界観(このレビューではこの世界のことを以降から《冒頭の世界》と表現させていただきます。)を醸し出しています。この
世界観が、そのままラストに直結する形となります。
この作品のラストは非常に印象に残りました。主人公の家族全員なくなるというとんでもないBAT ENDと思わせておいて、急に、物語の冒頭の世界に変わり、そして、物語の冒頭の世界がなくなった描写をしたと思えば、現実の世界にもどり、主人公の家族がもとどうりに。HAPPY END
おそらく、ほとんどの視聴者が わけがわからなかったと思います。少なくとも自分は1週目はちんぷんかんぷんでした。
そこで、何回も見た、自分なりのラストの考察をなるべくまとめて書かせていただきます。
【考案】
まずは、キーポイントになる冒頭の独特な世界。光がいっぱいあって、なんとも幻想的な世界です。これは、自分は街そのものだと考えました(見え方が違うだけで現実の世界と、冒頭の世界はまったくの同一世界。)。
そして、そこにあるいくつモノ光はラストで、はっきり街の人々の意思といっています。
また、冒頭の世界にいる女の子が、街そのものの意思(最終話での発言、私はこの世界そのものだった。が根拠。また、ガラクタのことをパパといったことから主人公の娘と推測できる。)
女の子によって作られたガラクタがパパ(主人公)です。
そして、思い出してほしいのが、この作品の16話で、正月に来て、自分の研究の結果を報告する ことみ の言葉です。
要するに世界はいわゆるパラレルワールドがいくつも存在し、その全てのパラレルワールドが影響・共鳴しあっている。といっています。
そのパラレルワールドとは、物語のもしも・・・・の世界(ヒロインが亡くなる世界、ヒロインと出会わない世界、OVAの杏と付き合う世界etc...)のことで、冒頭の世界の光(街の人々の意思)の集合体のことをさしていると思います。
*OPの最後でヒロインが冒頭の光の集合体へ消えていく描写、さらに物語の最後で冒頭の世界が大量の光(冒頭の世界の光と同じ色の光)に包まれていく描写から、推測しました。
つまり、ラストでいっていた光(人々の思念、欲望)が集まると信じられないような大きな力になる。とは、奇跡ではなく、パラレルワールド(もしもの世界)そのものになると解釈しました。
さらに、憶測するに、パラレルワールドがもし光(人々の思念)で構成されるのならば、光、つまり人々の思念が正の感情であればパラレルワールドも良くなり、逆に負の感情であればパラレルワールドも悪くなるのではないでしょうか。
そして思い出してほしいのは、1期から、主人公が多くの人々を助けてあげているということ。つまり多くの人から主人公は正の光(感謝の思念)をうけ、蓄積されています。
そして、ラストに、冒頭の世界での別の世界にいく直前のガラクタ(主人公)と女の子(主人公の娘)を思い出してください。
女の子 「♪~(鼻歌で団子大家族」
ガラクタ 「その歌、知っている」
女の子 「そう、いつも私に歌ってくれていた歌」
(*つまり、いつも歌ってくれてありがとうと感謝している。しかも、別世界での出来事と歌をハッキリ覚えているということが、どれだけ(たとえ別世界の記憶だったとしても忘れられないほど)感謝していたかをあらわしていると思う。ガラクタ(主人公)も知っているとしかいっていないので、別世界の記憶が曖昧な感じに思える。また、1期での演劇部の演劇の話のことからわかるように、主人公は別世界で起きた物語について曖昧なかんじだった。ヒロインも曖昧な感じでしたので、そうとうな想いだったんだと推測される。)
~その瞬間、大量の光に包めれ、HAPPY ENDへ~
つまり、ラストシーンは、このやり取りでわかるように、主人公に、主人公の娘が感謝の思念を向けた瞬間に、これまで蓄積されてきた正の光(感謝の思念)とくみあわさって、別の1つの良い世界(HAPPYENDのパラレルワールド)が生み出された。そう解釈しました。
ですが、まだ、ラストシーンには謎があります。
それは、なぜ、過去に戻ったか。です。
最終回の冒頭、なぜか主人公は過去のクラナド第1期の1話のシーンにさかのぼっています。
これは、自分なりの解釈では、過去に遡ったのではなく、パラレルワールドが1から(クラナド1期1話から)【創造】された。と解釈しました。(根拠は後ほど、のOVAの考察で書かせていただきます。)
さて、まとめてみると、まず最終回の前話を見ていただきたいです。
主人公は渚も、汐さえもなくなってしまいます。さらに、冒頭の世界でも同様、ガラクタ(主人公)が絶望的な状況下にあり、とてつもない光(負の感情の強い思い)が発生してしまいます。それにより、負のパラレルワールドが発生してしまいます。(この場合は、主人公がヒロインに会わない世界)
さらに、先ほどいいました、正のパラレルワールドが発生。そして、入れ替わります。(*入れ替わったことを暗示するようにわざわざ負の世界はダークトーン(暗い色のトーン)、正の世界はブライトトーン(明るい色のトーン)とくっきり区切られています。)
それから、そのまま時がたつ(ナレーションの 今終わる長い長いたびが から、時間の経過を表す。それと、この時場面が切り替わるのですが、その場面が学校の風景、学校の帰り道の風景と、2人が出会ったその後の風景をあらわしていることから。)
そして渚が無事に、汐を産む。HAPPYENDへ。
【番外編 クラナドアフターストーリー第25話(OVA)考察】
この作品には、OVA、が存在しています。このOVAの存在こそが、自分の考察にとって、大きな役割を果たします。(*今までの考察すべてがこのOVAによって、裏付けられています。)
自分は、考察の中で『パラレルワールドは1から(1期1話から)創造される。』といいました。根拠はこのOVA(第25話)です。
まず最初に、このOVA(第25話)の内容は、もし杏が主人公と付き合っていたら(このOVA上では杏は主人公が好きです。)の世界を描いた作品です。
つまり、1つのパラレルワールドです。
さて、ではこのパラレルワールド、いつ創造されたのかといいますと、クラナドアフターストーリーの第20話の冒頭部分と予想ができます。
(*思い出してください。渚がなくなった後、最初で最後に杏だけが、主人公と2人きりになってなんかいい感じにおしゃべりしています。 このときサブヒロインが主人公に恋をしていたってなんら不思議ではありません。
つまりこのときにパラレルワールドが杏の恋心の光(想い)によって、創造されたと考えます。)
つまり、物語の時間の流れを考えてみると、20話の冒頭にOVAの時間は1期の1話の時間です。
この作品は、総集編、番外編などがありますが、もちろん、これは作品の時間の流れと関係ないものです。(番外編は1年前に起きた話ですし、総集編は、本作品をまとめたものですし。)
さらに、先ほどいいましたが、22話(本編最終話)は、主人公の思念(光)のよって創造された世界の 負の世界、正の世界と、入れ替わります。つまり、今まで見てきた世界(1期1話~2期21話)までの世界と、まったくの別の世界となります。
そしてOVAは、今まで見てきた世界の(1期1話~2期21話)の中で(20話)で作られた世界です。
なので、OVAの時間は、22話とは関係ありません。
つまり、OVA(第25話)の時間は、OVAの世界とは関係ない第22話~第24話を引いた、20話冒頭~21話。(0.8+1.0)計算すると、OVAの時間は2話の終盤あたりの時間(1.8)になっていなければなりません。
このOVAの冒頭は、雨が降っているのが印象的ですよね。
クラナド1期の2話終盤を見てみてください。
そう、雨が降っているのです。(主人公が、渚にバスケやりましょう。と誘われ、迷いながらも約束の場所に言ったシーン。)
つまりこのことから、
これまでの、パラレルワールドとは、人々の想い(光)によって創造され、そのパラレルワールドは、1から(1期の1話から)創造される。そして、そのパラレルワールドはいくつも存在し、(*16話でのことみの発言、かくされた世界はひとつじゃないかもしれない、いろんな世界がたくさんあるという説もある から。)物語では、必要に応じてパラレルワールドの入れ替え(最終話の色のトーンが明らかに変わったことが根拠)がおきている。
ということが証明されたのではないでしょうか。
すいません(汗 本当に長くなってしまいました。
《物語の不満点・評価とまとめ》
【不満点】
本当にこの作品はいやらしい作品です。最初にバットエンドを予期させているので、もう自分の体はバットエンドのモードに入っているんです。よし、泣くぞと。しかし、最初では解釈不能な理由でハッピーエンドになってしまい、一気にこみ上げてきた気持ち、涙ものとも冷めます。後から何回も見て内容を理解できたころには当然泣くことはできまし、何もこみ上げてきません。
視聴者を泣かすことより考えさせることが目的であろうこのラストは正直、気に入りませんでした。
映画なら十二分に良いと思います。といいますか映画はたった2時間ほどの時間で、いかに観客を魅了・印象づけするか、つまり後々まで考えさせるかが勝負ですからしかたありません。
でもこの作品は2期まであり映画化までしています。じゃあその時間使って世界観を1から丁寧に教えた上で気持ちいい最後にしてほしかったです。
ですが、嫌いなアニメをこんなに調べたり、考案したりしません。とても考えたいというヒトの欲求を満たす、良いアニメだと思いますよ。
【まとめ】
この作品は自分の中ではおしい からこそ不満が出てしまい、悔しく感じてしまいます。なので総合的な作品の完成度自体はすごく高いと思います。
この作品にいろいろ学ばせていただいて、本当に感謝しています。
本当に長々失礼しました。