plum さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
選ぶことのできぬものは人間とは言えない
■ 17話まで視聴
{netabare}16話の緊張感は、まるでクライマックスのように盛り上がった。そして明かされたシビュラシステムの正体。正直、ふぅーんって感じだった。なんというか意外性の欠片もなく、例えるなら攻殻機動隊とマイノリティ・リポートを混ぜたといったところだろうか。やはり話の本筋はシビュラシステムではなく、槙島なのだろうね。これからどこに向かって行くのか、興味あるところです。{/netabare}
■ 11話まで視聴
「選ぶことのできぬものは人間とは言えない」
”時計じかけのオレンジ”で刑務所の神父が主人公に言う台詞を思い出した。自分の人生や、犯罪者かどうかの判断をシビラシステムに委ねたこの世界の人々は、彼の神父から見て果たして人間と言えるのだろうか。
{netabare}朱は槙島を犯罪者だと言った。しかし、シビュラシステムが犯罪者と判断しない人間を、犯罪者と言っていいのか。この世界では、判断するのは人間ではなくシビュラシステムなのだから。{/netabare}折り返し地点にきて、少し面白くなってきた。
■ 4話まで視聴
{netabare}常守朱は捜査対象であるタリスマンを探っている中で、対象と交流があるスプーキーブーギーのコミュへ行く。そこでスプーキーブーギーに、タリスマンの近況を聞く。朱が公安の人間であることは知られており、当然、タリスマンが捜査対象になっていることに気付く。そして彼女は、朱に対して捜査への協力を申し出る。
ちょっと理解できなかった。タリスマンと交流があるスプーキーブーギー、しかも中の人は不明な相手に対して、この人を探ってますよ~という感じで気軽に話す朱。結果的に、スプーキーブーギーの中の人は殺されてしまう。これは、大失態ではないだろうか。{/netabare}
PSYCHO-PASSという作品には、このような軽率な行動が流される作品ではないことを願っているのだが、硬派なストーリーを期待し過ぎでしょうか。
■1話視聴
「警察物で攻殻機動隊を超えよう!というコンセプトのもとに立ち上がった。」
「男女ともに受け入れられる作品にしたいという思いがあったので、
ハードな世界観に天野さんの絵をあてることですごくいい振り幅ができると思った。」
そんなプロデューサーの発言により、始まる前から議論を呼んでいた作品。
制作会社が攻殻と同じとはいえ、他の作品を引き合いに出して、超える超えないなんて
発言をすること自体、非常にナンセンスだと思う。
意気込みとしてはいいが、そういうのは制作スタッフの中だけにして欲しいところです。
さて、何を言っているのか全く聞き取れないOPで始まった本作。
近未来、人の心理や性格傾向が数値化された世界の物語です。
それなりに面白かったのですが、最も重要な設定である”人の心理を数値化する”
ここにとても疑問を感じました。
犯罪係数は伝染する。犯罪の被害者となることにより、潜在犯となってしまう。
分からなくはないが、そんな瞬時で上がったり下がったりするものを信じていいのか?
それで排除(=殺害)していいのか?被害者なのに?
そんな人であれば誰でも持つ疑問を、ヒロインである監査官以外は持たないのであれば、
既にこの世界の住人は、システムに心が犯されているよね。
まだ見えてない部分も多いし、雰囲気は好きなので、今後には期待です。
でも、攻殻を超える発言はすべきじゃなかったと思う。
何かに付けて攻殻が浮かんでしまうからね。全然別の作品だと思うんだけれど。