STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アナクロなカッコよさ
ツッコミどころが多く、設定や展開などかなりメチャクチャ。欠片とはいえ月を一本背負い
しちゃいますか・・・。
ただ、「それがどうした!」とばかりの勢いのある展開に引っ張られる。この展開がかなり
熱いもので、少女達が戦うストーリーでありながら、男臭い熱血感漂う作品になっている。
キャラがシンフォギアシステムを纏った姿やバトルシーンの描き方も今時のスタイリッシュ
なものとは言い難く一昔前の雰囲気。
おまけにキャラが必殺技を出す時は静止画になり、技名のコピーがバーンと出てくるところ
など、歌舞伎の見栄のよう、「立花屋!」、「風鳴屋!」と掛け声を入れたくなる感じ。
敵であるノイズの造形や暴れっぷりも昔の怪獣特撮もののようである。
こんな感じでやけに昭和な感じが漂う作品だが、これはどうも狙ってやっているようで、
この野暮ったさが逆にカッコいい。
この熱さと仰々しさが受け入れられるかどうかで、この作品の好き嫌いが別れそう。
冒頭でいきなり主人公である立花 響の墓が描かれることで、彼女の死が示され、更に同じ
回で主要キャラだと思われた天羽 奏が死んでしまうという波乱の展開。
その後もなかなか壮絶なシーンが多く、リアリティ寄りの絵でないため陰惨な印象は
ないが、その実流血描写が多かった。
終盤に至るとシンフォギア装者が次々と死んでしまう。もっともこれに関しては「あの時の
涙を返して!」というようなオチだったりしたが。
先ほど書いたように、展開こそ男臭いが、実際に戦っているのは少女達。戦いに身を置く
彼女達の心の痛みなどは女の子らしい。そういった少女の繊細な心情もちゃんと描かれて
いる。
響を演じる悠木 碧さんだが、こういう悩める少女を演じさせると見事にはまる。
この作品の重要なファクターが歌で、歌いながら戦うシーンなどはミュージカルのよう。
もっとも歌が流れながら、そのキャラが喋っちゃうようなシーンはこれまたツッコミどころ
であるのだが。
それだけに歌の上手い声優さんを中心にキャスティングされていて、なかなか聴き応えが
ある。
9話の風鳴 翼のコンサートシーンでの歌への思いを語る部分などは、中の人である
水樹 奈々さん自身とシンクロして見ちゃったなあ。