plm さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

犯罪係数オーバー120..セーフティを解除します

まどマギの脚本と同じ、虚淵玄さんということで観始めたアニメ。展開に期待。
このアニメを観る方は、用語をさらっと予習しておくといいかもしれない。（公式サイトSTORY→KEYWORD）
キャラ原案がリボーンの人なので若干少年漫画的絵柄なのに、なかなかグロテスクな描写有り。
雰囲気は今期大量な厨二アニメに近いが、そっち系だと思って観ると痛い目をみるかもしれない。

攻殻機動隊が情報犯罪からテロリスト退治まで、あらゆる事件に対処する「特殊部隊」だったのに対し、
こちらは完全に執行対象者、を追い詰め仕留める「刑事」モノ。方向性は結構違うようだ。
攻殻の場合はどのような解決法をとるのか？という見所があったが、
こちらはすること自体は決まっているため、個性的な悪役や主人公たちの行動を見たりして、
わりと深く考えずにキャラクターを楽しむことができるような内容となっている。

"サイコパス"によって資質を測られ、シビュラシステムに管理される社会とはいかなるものなのか？

１クール 感想
{netabare} さて１話、まぁ導入話といったところで世界観や登場人物の紹介がメインかな。
起承転結で言えば「転」の部分に期待がかかるアニメなので、まだ何とも言えない。

--==2話視聴==--
今回はまさに「承」の話。１話事件の後日談から主人公の来歴やそれぞれの人物の立ち位置の掘り下げ、
そして犯罪係数以外にも世界観を彩るさまざまなハイテクシステムがあることがわかった。

その中でも、職業適性がシステムにより判定をだされるという仕組みは、
主人公（朱）が専門教育を受けた"警察のエリート"だったわけではなく、
あくまで多方面に適性が高いと判定されたため、選択できたという意味でのエリートだとわかった。
１話での訓練を受けた者とは思えないような慌てっぷりは、この特殊な社会システムによって引き起こされていた状況というわけか。

そしてまどマギでも３話から「転」がやってきた。この調子なら……
まだじっくり掘り下げるのか、それとも……油断ならない次回。

--==3話視聴==--
おや……意外にも今回はワンテンポ置く話。主軸の話とは別のサイドストーリー的な。
攻殻でいう笑い男事件とは別の、緑タイトルの１話完結パートを思い浮かべさせられた。
しかし新出の情報などもあまりなく……ギノザさんと征陸さんの確執を臭わせたぐらいか。
話自体あまり気持ちの良いものではないし、今回は微妙だった。
とはいえこれも今後の展開への布石かもしれない、まだ続きに期待して観るとしよう。

--==4話視聴==--
おお少し面白くなってきた。どちらかというとシュールギャグと化しているけど。コヤスマンｗｗｗ
なんだか攻殻っぽさと刑事ドラマっぽさと虚淵っぽさとリボーンな絵が混ざり合って謎空間できてるな。

--==5話視聴==--
狡噛さんかっこいいなー。近未来かつ精神分析的な捜査方法でコンセプトを活かしているね。良かった。

--==6話視聴==--
ドンドン惹きこまれていくな、途中別アニメかと思うほどだったけど、猟奇さが溢れ出てきた。
そんなんしてる一方で朱さんがあっけらかんとしていて、なるほどメンタル美人に納得。

--==8話視聴==--
わかりにくい語りで話数引いてたわりにわかりやすい悪役像……なのか？
変化球なのか直球なのかよくわからんアニメ。
ありがちな変化球……、いやどっちかというとあまり見ない直球って例えがしっくりくるかも。
まぁなんにせよエンターテイメントとしては面白く観れているのだけど。
それにしてもドミネーター万能だな。ほんとに犯罪係数測っとけばこれ警察いらんとちゃうの……。

女学生が色々いすぎてどれとどれが幼馴染で、薬品漬けされてたのは……？
とか混乱してたけどポニテは別だったのかｗｗ今のうちに泣いとかないと色相濁るわよって慰めはひでぇ。

--==11話視聴==--
今回はエグい……、視聴者も犯罪係数上がりそうな回でした。

ドミネーターで測れない犯罪者もいるのでは？とは思っていて、
璃華子がでてきたとき、こいつ測れなさそうだなぁと思ったいたけど実際は凄い数値でて、
ドミネーター万能だなぁなんて言っていたのだけど、測れないのは槙島だったか。
明らかに人に危害を加えている人間なのに、なぜ犯罪係数が上昇しないのか。
動物を屠殺する感覚で殺しているのだとしたら平気なのかなぁ。サイコパスっぽくなってきたね。
強力な抑制で成り立っている社会の中で現れた例外の脅威、新世界よりと繋がるとこがあるなぁ。
{/netabare}

２クール 感想
{netabare} --==12話視聴==--
OPもEDもなんだか雰囲気なくなっちゃったような気がするんだけど、聞いてれば良くなってくるのかなぁ。
正月挟んだからどっちにしろだけど、ここにきて前回の続きを分断して掘り下げ回をやるとは……

--==14,15話視聴==--
うわぁ、凄い怖くなってきた……。崩壊した秩序の中での暴動ってただただ怖くて惨い。
槙島が本格登場してから、猟奇的犯罪vs刑事バトルみたいな単純構造からシフトしてきたように思う。

--==20話視聴==--
今回は震えるくらいの面白さだった。

Ａパートのシビュラシステムとの対話は論理的で、敵対的存在でありつつも一理あると思わされた。
朱の感情を押しとどめ、怒りにまかせるでも無力を嘆くでもない姿勢には緊迫感があった。
そして回想、一見使い回しだが真実を知った上でそれぞれの場面を再認識すると、
同じ台詞でも違うように感じられる部分がある。この辺は他の人の考察とか読んでみたいところ。

そしてＢパートは朱が狡噛ばりの能力発揮。これはカッコイイわ……。
槙島さんのスタンスは何となくわかるが、魂が輝くチャンス与える間もなくゆきちゃん殺してるしなぁ。
人間が人間らしくなれる社会を目指したいみたいな目的があるのは良いが、
その手段として身勝手な人殺しを用いることは悪でしかないと思う。{/netabare}

－最終話視聴終了感想・総括－
{netabare} 率直にいってしまうと、なんだか微妙な終わりだった。
変に綺麗に終わらせようとしておかしいだとかマイナスがあるわけではないが、
別にドラマチックなわけでもない無情エンド。　それで、つまり・・何だ？！　みたいな空虚感。
槙島のキャラとしての深み、哲学も苦悩も漠然としててよくわからず、あまり余韻は残らなかった。

槙島との対決を最終話まで引っ張ってきたわりに、
ぼくと君は似た者同士なんだーー（槙島）　いや知らんし、マジ害悪裁くのは俺だ！死すべし（狡噛）
こんな感じですよね。見せたかったのはこれなのか？　朱は最後までぐぬぬ・・

犯罪係数による究極的管理社会の設定は面白く、終盤は盛り上がり、法のあり方とか考えさせられたが、
この作品好きだ！と超絶惹かれる要素は、スッと思いつかなかった。


■シビュラシステム・法についての自分の考え
作中ではシビュラシステムが悪法とばかりのいわれようだったが、
現在であっても裁判によって、人（特定の意志）が人を裁くことに変わりはないと思う。
シビュラも人の延長だと思うし、広い価値観を取り入れようとする、公正さは求めているように感じた。
脳の並列化とかが個としての存在感や倫理的に嫌悪感が生じるだけではないだろうか。

朱さんのお言葉「法が人を守るんじゃない、人が法を守るんです」とのことだけど、
どっちでも一緒じゃない？、法が人を守るから人が法を守る、だから人が法を守るから法が人を守る..∞
続けて「正しい生き方を求めてきた人たちの積み重ねだから、それを無下にしてはいけない」という
けど、システムが革新してきてるのにそんな保守的な精神論述べてもなぁ、って気がしてしまった。

時代や制度が変わって、諸問題が発生してるのにただ法を守ればいいって断言しちゃうのはどうだろう。
サイコパスの世界では今が変革の時期なのだと思う。狡噛思考（法で裁けなければ即私刑）
が必ずしも正しいとは思えないが、臨機応変さは求められるのではないだろうか。


にゃんたさんのレビュー　http://www.anikore.jp/review/477493/
キャラのそれぞれの立ち位置をわかりやすくまとめてあり参考になりました。 {/netabare}