beatle さんの感想・評価
1.6
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
京極夏彦の黒歴史。ありったけのチャレンジ精神に泣きながら観ました。
京極先生のお書きになられたルー=ガルーは未だ見てませんが、アニメ版は見ました。
なんていうか。凄いですよね。大御所がラノベの枠にぶち込んで、これまでムサイおっさん(京極シリーズでは主人公2人は妻子持ち)を散々書いておいて今更美少女ものを描き出すとは。なんというか、今尚残るチャレンジ精神が垣間見えますね。ハンターハンターでいうとネテロ会長みたいな感じです。多分コレ見てる人ならなんとなく解るかと思いますが。それの、アニメ化。anotherといい、ルー=ガルーといい、講談社ノベルス陣は映像化不向きの作品だってレッテルを貼られてるようなものじゃないか!オレ怖くて未だに森博詞の「スカイ・クロラ」だって観てないのに!「すべてがFになる」のアニメ化もいつの間にか立ち消えになってるし!結局文筆家は映像という代物になんて期待しちゃいけないのかもしれない。
そもそもさぁ。これまで重厚で歯応え有りまくりの硬派な文体で、中高生と中二がこじれたおっきいお友達受けするソフトな文体に、可愛い美少女なんて描けるのか、しかも、その設定が丸ごと、まんま、アニメになって動くワケだ。残念ながら京極先生にはゲゲゲの鬼太郎の脚本で精一杯だ。一ファンとして、彼が美少女の日常や悩ましげな想いを書くのに四苦八苦しているのを想像しちゃって楽しくアニメなんて観れたものではないのも、また、道理だと思う。今ニコニコでルー=ガルーの総統閣下シリーズが出てないのにびっくりした。これネタにすればそこそこ視聴者観てくれるんじゃないだろうか。講談社から続編が作られており、万一これの続編がアニメ劇場になったら、大いにネタにしてやろうと思う。にしても・・・。ダメだ。観終わった後の苛立ちと気分の悪さと気持ち悪さを思い出して怒りが沸いて出てきている。
京極ファンにこそ、観て欲しくない作品。出来ればそっと無かったかのように忘却の彼方においやって欲しい。「良き友を深く深く埋めよ。蛆にまみれて戻ってこないように。」視聴後の後味悪いです。アニメファンも見ないほうがいいです。
一人だけアニメ化できそうなファウスト賞受賞者が居るんだけど・・石崎幸二の石崎幸二シリーズなんてどうだろうか・・・。講談社ノベルスの皮を被ったライトノベルだし、可愛い女子高生2人が三十半ばのオッサン相手にかまってくれるし。そこそこ本格でブヒブヒ出来ると思うんだけどなぁ。