cross さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間の欲望や本質を描きながら繰り広げられる、駆け引きや戦略を重視した頭脳戦は一見の価値あり!!【総合評価:72点】
2012年秋に全12話で放送された作品。
視聴開始時は、正直作画がそこまで好きではないと言う理由から、期待値は低めからのスタート
ですが、徐々に物語の内容が分かってくると、一気に作画など気にならない程に楽しむ事が出来ました。
物語としては、目が覚めると、唐突に無人島に放り出されていた状況下からスタート
色々あって、無人島に放り出されている経緯の記憶を一部失い、視聴者と同様に状況が飲み込めていない主人公の坂本
ニートで所謂ネットゲームの廃人とされる彼が今最も熱中していたのが、この作品のタイトルと同じ『BTOOOM!』
それぞれに性能が異なる6種類の爆弾を駆使して、敵を殺していくと言う内容
記憶を一部失っている坂本は、わけも分からないまま、その『BTOOOM!』をそのまま再現したようなデスゲームのプレイヤーにされていた。
記憶を一部失っていると言うのは、あまりに安易ではありますが、まぁ視聴者と同じく状況を掴めていない状態からのスタートと言うのは物語に引き込ませる掴みとしては良しと言った感じでした。
状況が飲み込めない主人公は、まだ人を殺す事に躊躇する他のプレイヤーなどから話を聞き、徐々に自分の置かれた状況を把握していく。
敵を殺して手に埋め込まれたチップを自分の分を含め8個集めればこのサバイバルゲームから脱出できると言うルール。
{netabare}この無人島に送り込まれた人達は、誰かに強い恨みを買い『消えて欲しい者』として選ばれた者たちだと言う事実
この事実が判明した時、個人的にはこの作品への関心が一段階あがりましたね。{/netabare}
そして、無人島に送り込まれるに至った経緯を回想とする事で、キャラクターの深堀も出来ていたと思います。
そして、ただのオンラインゲーム『BTOOOM!』を模したサバイバルゲームながら、ただゲームのように動き敵を殺せば良いだけではない。
まずは実際に人を殺めると言う行為に対しての躊躇、だが生き延びる為にはと言う葛藤
更に必要不可欠となる食料の争奪、協力関係を結びながらも相手の思惑を探り合い、自分が生き残れればと言う人間として当然の本質
ただのオンラインゲームの『BTOOOM!』に加味されるのがリアリティーが非常に味を出していたように思えます。
そんな容易に他人を信じる事も出来ないような状況下において、主人公の坂本とヒロインのヒミコ
ヒミコはこのサバイバルゲーム開始時に男に襲われそうになり、男性に強い嫌悪感と不信感を抱いている。
そんな中でも坂本と共に窮地を超えていき、心を寄せていくと言う恋の要素も含まれております。
戦闘シーンは、単純なバトルではなく6種類の爆弾の性能を駆使した頭脳戦と言う側面もあります。
単純に爆弾投げあうだけでなく、そう言った駆け引きがこの作品の売りですね。
物語としては、そこそこに高評価ですが、如何せん原作がまだまだ連載中という状況
アニメの12話ではどうしても物語としてキリが悪く、無人島からの脱出まで描かれる事は勿論ありませんし、このサバイバルゲームが行われた経緯や意義と言った核心にも迫る事はありません。
12話のラストから、第二期を期待させる引きではありましたので、第二期の内容次第では更に評価が上がる作品だと思われます。
極限の状況下における葛藤、剥き出しになった人間の欲望や思惑、そう言ったドロドロ要素に加え、駆け引きと策を巡らせる戦闘シーン、総じて中々の出来栄えだったと思います。
未視聴の方はおそらく第二期もありそうですので、一度視聴してみてはいかがでしょうか?