「Angel Beats!-エンジェルビーツ!(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
14653
棚に入れた
48270
ランキング
60
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

感動アニメなのに泣けなかった理由

オリジナルアニメーション。

気がつくとそこは夜の学校だった。
目の前には銃を構えた少女。

「あなた、死んだのよ」

記憶のない主人公にとって、それはあまりに唐突だった。

笑いあり、戦いあり、日常あり、感動あり。
そして、とても見やすいアニメです。


舞台は死後の世界という特殊な環境。

それを利用した伏線の張り方とミスリードはお見事の一言です。
{netabare}
タイトルからして伏線でありミスリード。
ガルデモを1話目から出すことで、Beats!を音楽と錯覚させて、本当は「鼓動」の意味。
ロゴやOPテーマにある波型の模様は心電図の形。
これだけでも十分考え抜かれているなと思います。
{/netabare}


……で、みなさんのレビューを拝見。
すると泣ける作品の代表選手のようです。
しかし、私の目頭は熱くなりませんでした。
涙もろいほうなのに。

その理由がずっと前から気になっていて、3周目の視聴に踏みきりました。
視聴後、ひたすら考えた結果、泣けない理由が分かりました。


『キャラクターに感情移入をする暇がない』


前半はついていけないむちゃくちゃっぷりです。
やっていることが、スイカとてんぷら。
食い合わせが悪い料理のようです。
{netabare}
銃撃戦の裏で食券集め。
ギャグのノリで人が(仮に)死んでいるのに、回想では死を重いものととらえている。
{/netabare}
まじめな場面と、他の場面との落差が極端なんですよね。
ゆるやかな流れがその間にありません。
シーンがでこぼこしています。

このギャップが、人間味をキャラクターから奪います。
どんな状況にもすぐに適応してしまうからです。
そんなロボットのようなキャラに共感するのは難しいです。
ただでさえ登場人物が多いのに……。


それでも主要人物には感情移入をしたいところなのですが、展開が速すぎて無理です。
キャラの優先順位もよく分かりません。
{netabare}
日向が言った「じゃあな! 親友!」という言葉を聞いて、「いつ親友になった?」という疑問がわいたのは私だけ?
途中参加の直井が、いつのまにか主要人物になっていて違和感を覚えたのは私だけ?
ゆりっぺが大活躍しているのに、最後に残ったのは天使ちゃんのほうというのも納得がいきません。
{/netabare}

私なら、まず登場人物を減らします。
そして、シリアスな回は徹底的にシリアスに。
また、ギャグ回はギャグ一本で絞ります。
そうでなければ13話という短さで、あれだけの人数をさばくのは無理です。

・尺が足りない
・構成が悪かった
・登場人物が多すぎる

この辺が気になって泣けなかったのだと思います。
なんとももったいないです。

投稿 : 2013/07/24
閲覧 : 1345
サンキュー:

108

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