たんたんたぬき さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
無感情毒舌キャラ
ストーリーとキャラの融合が本当に良く取れていた。古き良きアニメだと感じる作品。エヴァと同時代だけど、ノー天気に楽しむ感じが見てて本当に面白い。監督の性格の違いが出てるんだと思う。ただ監督だけじゃなくて脚本の方のストーリーも忘れてはならない。ノー天気なノリだけストーリーはかなりシリアスで見ごたえがある。
まず木星人が同じ地球人だと言う事と彼らが熱血ロボのノリで生きてるってメタフィクション的なノリ。エヴァがこの頃クソ真面目に引用していたのに対して上手くパロみたいにして切り抜けてかつシリアスも生きてる。かなり上手い脚本。これだけでも十分面白いのに、ラストに向かう主人公の話はまたもう一段階面白さ増す。本当にストーリーが面白い。
でもこの作品楽しげなノリと魅力的なキャラ。現代の学園物の基本がすべてここで完成している。エヴァばかり取り上げられるけど、大半の作品はこの作品のノリを受け継いでる。エヴァが暗ならナデシコは明ぐらい昨今の流れを作った大事な作品だと思う。
忘れてならないのはキャラ、ユリカはまあ押しかけ女房と言ううる星やつらの伝統の部分があるけど、ルリはレイが作った無口無感情キャラがもつ無口の部分を毒舌で補った饒舌なキャラ。この2人がそののちのこういったタイプのキャラの原型になってる。なおかつちょっとロリが入って毒舌のプロトタイプとなった点でレイとは全く違うタイプとも言える。後銀髪ツインテのパターンは金髪に変えられるなどして後々も受け継がれる。今見ると古臭い面もあるかなってキャラデザだけど、それでもまだ萌えキャラをあまり知らなかった頃見たこのキャラのインパクトは絶大だった。ユリカには悪いが、ナデシコと言うとルリを思い出してしまう。
後絶対忘れてならないのは、形あるものじゃないけど、艦全体の雰囲気。ガンダムと比較するとなんて明るい艦の中なんだとはっきりとしたギャップを感じる。ヤマトを意識してるのかどっちか分からないけど、艦物ならナデシコを見ておかないと言うぐらい異色の空気感。この後も受け継がれるサトタツイズムがふんだんに出ている。