「THE IDOLM@STER [アイドルマスター](TVアニメ動画)」

総合得点
88.2
感想・評価
2514
棚に入れた
10761
ランキング
124
★★★★★ 4.1 (2514)
物語
4.0
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

ツキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

CHANGE

あにこれのレビューをきっかけに視聴した作品です♪
本作を避けている人の多くがそうであるように、自分もまた「アイドルマスター」ってタイトルから敬遠していた内の一人です。原作を知らないとタイトルから漂う地雷臭はハンパじゃない。
ところがどっこいこれが案外面白くてビックリです。今までも最初から見とけば良かったと後悔したことは何度もありますが今回もしっかりそのパターンw
食わず嫌いはよくありませんねホント

765(ナムコ)プロダクションという事務所に所属するアイドル達の成長を描いた作品で、前半1クールがアイドルとして売れる前、後半1クールは売れてきてからの面々の成長を描いています。
基本的には1話につき1人にスポットをあてて各話を消化。
キャラの特色を活かし、しんみりする話だったり笑える話、時には敵対するプロダクションとの話だったりと展開としては大きな起伏もなくベターなもの。
それでも押さえるところはしっかり押さえています。
それが2回のライブシーンと如月千早というキャラのラスト回。

ライブシーンはとにかくキャラがヌルヌル動いて作画とか超本気だしてます。opでもライブシーンの映像をはしょって使ってますが、それをダイジェストでなく見れただけで大満足。あんなにドキがムネムネしたのは久々でした(古い?)

そして千早回。このキャラだけは特別力入れて描いてましたね。ずっと伏線を描いてましたが最後にしっかりがっつしおとしてきます。
内容としてはありきたりな感動ストーリーですがそれでもほろっときちゃいます。
ちなみに自分は連続で3回見て3回とも同じとこで泣きましたw

ですが一つ不満点。作品のベクトルは明るく前向きに成長するキャラを描くものなんで突っ込むところじゃないかもしれませんが、せっかくならもっと生々しく芸能界ってものを描いて欲しかった(※こっからは半分近くアイマスとは関係ないチラ裏レビューです)。


{netabare}以前知人が芸能界の方と交際していたのですが、一般人とは比較にならないほど仕事中心の生活っぷりです。
売れない時期の仕事に対する執着、仕事以外のプライベートでの努力。
この努力ってのもつかみ所がなくて非常に大変。仮にこの人が役者として、ただひたすら演技の勉強だけすれば良いってほど芸能界は甘くないですもんね。何をどう頑張れば良いってのが決定的に曖昧です。
成功を掴む人は運や人格・人脈による要素も非常に大きいと思いますが、それでも大きな仕事が入った時の喜びはひとしお。
ただし同時にプレッシャーも半端じゃないです。
何故ならこのチャンスを確実にモノにしたいから。国家試験のように1年に1回チャンスがくると分かっているなら別ですが、次にいつチャンスが訪れるかなんて知る由もありません。神のみぞ知る世界。
そしてこのチャンスを見事モノにするとします。多分この喜びは一般人には到底得ることのできないものでしょう。
しかしここからはもっと大変。成功という綱を掴んでもここから必死によじ登らなければなりません。いつか切れてしまうんじゃないかという不安を抱きながらも進まなければいけません。{/netabare}
アイマスはこの、成功の裏にある精神的なプレッシャーというものを絶対的に描いていません。それこそそういう描写を避けてるのかと思うほど。
作中での成功を掴んだあとの彼女達の不安要素っていうのは、今までみたいにみんなと一緒にいれない不満や不安、要は「絆」を描くものだったり、成功から生まれたあくまで個人としての悩みだったりで、決してアイドルとして描いているものではありません。
せっかく芸能界ってものを舞台にしてるんです。アニメ、声優業界も芸能界である上にアイマス声優陣はなかなか知名度が上がらず悩んでる方も多い気がするので最低でも一人、もしくは一話ぐらいはこの世界を愚直に描いて欲しかった。

(※こっからは九割近くアイマスとは関係ないチラ裏レビューです)

{netabare}そして芸能界最大の禁忌、それが恋愛です。そう言えばアイマスでは恋愛に関するストーリーが美紀のネタ的に扱われてるもの以外ありませんでしたね。が、自分が言いたいのは最早そこじゃありません。続けます。

この恋愛、してはいけないけどすることは出来るんです。要はすっぱ抜かれなきゃ良いだけで、知名度が上がるほどその危険性が増すって感じです。信号無視に例えると分かり易いですね。渋谷のスクランブル交差点をぶっ込むか、田舎の田んぼ道を横切るかの違いです。
話を戻しますが、多少は不自由でも誰もが知ってる芸能人以外は割と普通に恋愛はできます。でも大前提は恋愛禁止。この不安定な自由さが最強に厄介なんです。
ずっと交際を続けていけばいずれは辿り着くのが、そう、結婚です。
でもそんなもの認められる訳がありません。よく聞きますよね、「今が大事な時期だから」って。ふざけんなって話です。じゃあ大事な時期じゃなかったら結婚して良いんですか?ってな屁理屈も言いたくなるもんです。て言うかそんな時期があるなら芸能人として終わってます
そもそも恋愛ダメって考え自体が意味不明過ぎます。身分差結婚禁止の差別社会とやってることは同じですよね
芸能界では人権なんてあってないようなものですね。まさに鬼畜の所業。恋愛禁止についてそれを是としないまでもそれが黙認されたルール、当然と考えられてること自体が狂ってます。狂気の沙汰です。
果たしてなんのための戦後の憲法改正で人権が保護されたのでしょうか。ポツダム宣言舐めんな

でもまぁ芸能界に身を投げる人は犠牲を覚悟の上でしょう。もしかしたらプライベートがなくなるほど人気になるのは嬉しい悲鳴なのかもしれません。
ですがそれはあくまで自己犠牲の範囲での話です。恋愛は自分だけでなく相手とするもの。その人の人生までも左右することがあって本当に良いのでしょうか?

体を売る風俗嬢を卑下する言葉はよく聞きますが、誇りを持っていれば立派だと私は考えます。
しかしこの芸能界は自由を奪う、心を売るというのに実に相応しいですね。
「悪魔との契約」って言葉がぴったりです。{/netabare}

投稿 : 2012/10/03
閲覧 : 265
サンキュー:

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