KOSEI さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ソードアート・オンンラインのレビュー
自分の中では今期一番の注目作品
原作未読につき、単純にひとつのアニメ作品として見た感想
■物語
原作を読んでいるか、MMORPGをプレイしているとすんなり舞台設定を理解できると思うが、そうでない人はやや説明不足な点も多く置いてきぼり感を感じるかもしれない。
突っ込みどころはありつつも全体的には面白い(原作が面白いのだと思う)
しかし、アインクラッド編最後となる14話の展開は不自然すぎて納得できない。
原作には細かな補足設定があるのかもしれないが、少なくともアニメ本編を見る限りでは不自然。
以下腑に落ちない点を列挙してみる。
1.何故かキリトが逆上してヒースクリフ(以下団長)にタイマンを張る
特に逆上するような流れではなかったと思うし、このような一か八かのような戦いを簡単に挑むようならここまで生き残ってないと思う。
「行くな!キリト無茶だやめろ!」「行くなってことは・・・?」そんな芸人のように突っ込んでいってしまう。
ここは降って沸いたチャンスをみすみす見過ごさなければならずに歯噛みするような場面ではないかと思う。
2.団長のガード技でキリトの武器が破壊
ガード技で武器破壊というのはスキルとして強すぎてゲームバランスを壊しているのではないか。
オンラインゲームでこのようなスキルがあったら、みんな相手の武器が壊れるまで使い続けると思う。(⇒ガード合戦で決闘にならなくなる)
(演出の一部と考えれば許容範囲なのかもしれないが)
3.マヒが自然治癒したアスナが自分を犠牲にしてキリト助ける
これは「マスタークラスの料理スキルを会得していた事で毒耐性があった」みたいな設定があればまあ納得できる・・・か。
それか、団長があえてアスナだけマヒを解除してその反応を楽しみ、その後は知らなかった振りしたという事もありえなくはないか。
4.死んだアスナの剣が残る
デッドダウン時に装備品ドロップしたと考えるか・・・(今までの脱落者においてそのような描写は無いが)
5.必殺技でもないのにキリト一撃死
それ程に団長との力の差が歴然ならば、頬を斬られたあの一撃で死ぬのでは?
(団長もタンカーなのに攻撃力も高いのはゲームマスター補正?)
6.キリト死んだ状態で攻撃する
今まで死んだプレイヤー達はすぐにパリンッだったのに・・・。(その場復活できるアイテムを所持していたのかとも思ったがそのような描写も無し)
これを許したらSAOの舞台設定の前提が覆ってしまう。
そして先ほど無気力試合みたいな事して死んだのに、半死状態で復活したとたん「まだだ」とか言って反撃する心理描写が理解できない。(アスナの「信じてるよ」が脳裏によぎったという事だけではトリガーとしては物足りない)
7.キリトの攻撃を団長はなぜかすんなり受け入れる、しかもブスリで一撃死
結局あの時点で茅場 晶彦はSAOを続ける気があったのか?(あの笑みから考えるに多分無い)特段それまで茅場(団長)の心境が変化するような要因は無いのにも関わらず、当初と言動が矛盾している。(100層でラスボスやるつもりじゃなかったのか?)
特に最後の戦いは熱く、茅場も想定していなかった二刀流独自のプレイヤー依存スキル(例えば、右手剣と左手剣を超速でスイッチする事によってガードさせる間を与えずに確実に二撃目をヒットさせる・・・みたいな)をキリトが密かに編み出していて、それを駆使して倒した!というような展開を期待していただけに拍子抜けした。
少なくとも戦闘開始時はそのような流れを予想させる展開だったと思う。(「自分で何とかしなければ・・・」とか言ってたし)
そのようにしなければキリトの二刀流が生きない。(別に両手剣一刀使いでも結果は同じのはず)
とまぁ勝手な考えをつらつらと挙げてみたが、要するに「システム的な例外」で片付ける事は簡単だが、それに頼りすぎると今まで積み上げていた舞台、紡いできた物語がぶち壊しになり視聴者の興が殺がれるのではないだろうかと思う。
全体的に面白い題材だけにオチが残念。
■作画
全般的に丁寧に描かれていると思う
■声優
主人公となるキリト役の松岡さんがやや物足りない感。ファンの方には申し訳無いが、まだ主役を演じれるキャリアでは無いのでは?
女性声優陣は人気声優を集めているが、それぞれ主張しすぎる事もなく役に馴染んでいて好感。
■音楽
OPED共に作品にもマッチしていてよいと思う。
■キャラ
WORKING!のキャラクター達と似てると思ったらやはり同じキャラクターデザイン・作画監督のようで。
全体的に可愛らしくまとまっているが、シナリオがシリアスなだけにもう少し渋めで重厚感を出してもよかったかもと思った。