ほるん吹き さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
三人の想いがそれぞれ切ない…
花屋で働く女性店長に恋してしまった葉月くん。しかし彼女にはすでに旦那がいて、と思ったら、それは自分にしか見えない幽霊だった…。
そんなシンプルだけどおもしろい設定に1話で一気に引きこまれました!
その幽霊旦那の島尾くんに邪魔されつつも、何とか店長の六花ちゃんの気を惹こうと一途に頑張り続ける葉月くん。見た目悪人なんだけど、結構ピュアなんですよね。すごく応援したくなりました。
六花ちゃんは、今まで亡くなった旦那しか愛した事のない人生を生きてきた中で、自分を好きだと言ってくれる葉月くんとの間に心が揺れまくり。気のある素振りを見せてはためらったり、そんなはっきりしない感情にやきもきもしましたが、まあ普通そんな簡単に割り切れるものではないですからね。
前半はものすごくいいペースで進んでいましたが、葉月くんが旦那に体を貸してからの中盤以降の失速感はやっぱり否めません。まさかあのメルヘンワールドを最終回までひっぱるとは思いませんでした。あれは葉月くんがだんだん現実世界から遠ざかっているというのを表現したかったのかな?
葉月くんの身体を借りてからはやりたい放題の行動を繰り返す島尾くん。死んでるのをいいことに…と非難したいところですが、まあ彼の気持ちも分かります。
死んでも執念でこの世に残り続けて3年。触れる事も話す事もできなかったけど、やっと葉月くんの身体を借りて六花ちゃんとまた「会う」ことができた。しかも自分の嫁に近づこうとする男の好感度を下げるチャンスでもあるわけで。私もそんな立場だったら同じ行動をするかもしれません。
…これはあくまで彼に感情移入した場合の意見ということで、葉月くんが可愛そう、てのは変わらないですけどね。
島尾くんがもっと葉月くんの事を信用して、この男になら六花ちゃんをまかせられる!くらいの気持ちの整理がついていたら、話はもっとスムーズに進んだのでしょう。
それでもラストは無難な形で落ち着いたかな? どういう形が最高、というのはないけど三人の関係が丸く収まる形の結末でよかったです。