柚稀 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
-未来の価値-
ノイタミナ、全11話。
“お金”の話だけど、別に勉強する話じゃない。
経済用語はでてくるけど、知らなくても問題ない。
押しつけがましくご高説などしない。
異世界だけど、現実と全く関係のない場所ではない。
バトルだけど、変わってる。
-賭けるのは、己の未来だ。
今、僕の手元にあるお札が何故に物と引き換えにできるのか、
物心ついたときから、あたりまえで考えもしなかったこと。
そんなことをふと考える、そんな物語。
余賀公麿【よがきみまろ:cv.内山昴輝】は19才の大学生。
将来の夢は“安定した職業に就いて、妻と子どもと慎ましくも幸せに暮らすこと”
そんな彼の元に、怪しすぎる風貌の男が現れる。
彼の名は真坂木【まさかき:cv.櫻井孝宏】
公麿は彼からとある勧誘を受ける。
“キミの未来を担保にお金を貸すので運用して欲しい”
…ただし、週一行われる“ディール”と呼ばれるバトルをすることが条件である、と。
『黒いカード』これが現実と繋がる異世界“金融街”への入り口だった。
バトルである“ディール”(※本来の用語の意味=取引・売買)とは、
“アントレ”(=アントレプレナーの略称・起業家)と
パートナーである“アセット”(=資産・財産)で闘うこと。
ディールに勝てば利益を生み、負ければ負債を負う。
負債を払いきれず、債務超過となった暁にはとんでも現象が現実で起こる。ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
その末路は勝ったことを手放しでは喜べないような虚しさや後悔が含まれる事象だ。
とりあえず、観だしたら続きが気になってしゃーないw
なかなかダークで現実を突きつけるシビアな内容だけど、それと相対するようなポップな色づかいのギャップがスキ。
それでいてミステリアスな雰囲気がたまらない。
この世には“金融街”は存在しない(だろうw)けど、
物語がラストに近づいていくにつれ、
日本の、ひいては世界の、そう遠くもない未来の姿を見ているような気分になった。
お金はお金だが、ただの紙切れ。
この紙切れに「これは1万円だ」という価値を付与するものはなんだろうか。
作中には様々な思想のアントレたちが登場する。
救おうとする者。
抗う者。
未来を求める者。
今を見つめる者-。
皆、それぞれに想いがある。信条がある。
彼らからいいセリフがいろいろ飛び出す。
何がよかったのか、何なのか、どうすればいいのか。
正解などない。わからない。
未来は誰にも計ることなどできないのだから。
ちなみに僕の未来を担保にしたら、いくら位の価値があるのだろう?(・∀・)
と、どーでもいいことを考えてしまった僕は、いとも簡単に債務超過になりかねないので、真坂木くんには出会いたくないものだと切に思ったww