無毒蠍 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
騙すならまずは味方から…ルパン一世一代の大芝居!
今回の敵のボスは女性です。
お金持ちでインテリで私好みの美女でしたね。
シンシアは本当に好みのタイプなんですよ、
ああいった女性を口説き振り向かせるのは男の夢です。
手に入れた者を独裁者にするといういわくつきのブローチ…
今回のお宝なんですが資産としての価値はあまりなさそうです、
ルパンもただ歴史を代表する人物のもとを渡り歩いてきたブローチを
その目で確かめ相応しい人物にあげるのが目的だったみたい。
敵の親玉でもあるシンシアはそのブローチで独裁者をつくりあげ戦争を誘発させ
それに便乗して稼ぐつもりでした。
今回の見所はずばりルパンとシンシアの心理戦でしょう。
前作までは比較的アクション傾向の強い作品が多かったルパンですが
本作は頭脳戦がメインで描かれています。
どちらが先にブローチを手にするのか…どちらがより多く稼ぐのか…
なかなか面白いマネーゲームでした。
次元に五右衛門も序盤から活躍しますよ、
次元は愛用してるマグナムを紛失してしまい
ルパンのワルサーを使う珍しい次元もみれました。
次元が言うには銃は女と同じらしく
ルパン用にカスタマイズされた銃はルパンにしかなびかなくて扱いづらいらしいw
ふところにワルサーを入れてたおかげでルパンは敵の凶弾から身を守れました。
次元の言うとおり銃は女と同じなのかもしれませんね、いい女は男を守る幸運の女神になるのです。
五右衛門は怪しげな宗教女にひっかかって資金を集めてましたw
本当に女が絡むと急にだらしなくなるなぁ。
今回五右衛門がルパンに協力したのも資金集めのためですからねw
見せ場である戦闘でも最後は不二子に助けられちゃってるしちょっと情けなかったかも。
案の定ラストは宗教女にお金を持ち逃げされ痛い目にあってます。
そして不二子ですが今回は世にも珍しい騙されまくりの不二子がみれますよ。
いつもお金になりそうな人間を逆に騙してる印象がありますが
全財産を株に投資して全額ぽしゃってました。
不二子は一文無しなので今回は協力せざるを得ないという感じですね。
EDでも今回稼いだ金をまたぽしゃってしまって不二子らしからぬ不二子がそこにはいました。
今回敵の凶弾で倒れたルパンはふところのワルサーのおかげで助かったのですが
それを逆に利用して死んだふりをしたんですよ。
その芝居に敵だけではなくルパンファミリーまで騙されてるから面白い。
ルパンファミリーはルパンの弔い戦まで決意し絆の深さを確認できました。
不二子だけは死んだ人間の意志を継いでどうすんのよ?的なことを言っていましたが
ルパンが生きていたとわかったときは抱きついて喜びをあらわにしてましたね。
なんだかんだいって皆ルパン大好きじゃないですか。
銭型警部なんて号泣したり辞表を提出したり今回のルパンの大芝居で一番被害をこうむった人ですよw
ルパンが生きてたら生きてたで毎日大変だし死んだら死んだで無気力な毎日になるんですよね。
銭型警部の元気の源はやはりルパンなのです!
シンシアは今回ルパンを敵にしたことにより最終的に一文無しにされ逮捕されるという
最悪の結末をむかえてしまいました。
これまでのルパンは敵が凶悪なだけに殺してしまう展開も多いですが
こういったふうに屈辱を味あわせ苦汁をなめさせるというのもいいなぁ。
敵にしてみれば「してやられた!」ということだもん。
不二子いわくシンシアはルパンに惚れてしまってたようです。
勝負の世界でそういった感情は禁物ですよね、
今回の話を一言で表現するとすれば「惚れたほうが負け」ということになるのかな。
いつも女に騙されてるルパンが女を騙す…新鮮なお話でしたね。
このマネーウォーズは変装したり潜入したり謎解きしたりと
怪盗らしい要素がつまっていて良かったですね。
ルパン三世の真骨頂とは本来こういうところにあるんじゃないかな。
独裁者にするブローチ…それは夢や理想を追い求める者のもとにやってくるのであって
お金を追い求めるシンシアには振り向くことはありませんでした。
今ブローチは人々の心を魅了し独占する者のもとにあります。
願わくば彼女が最後の独裁者でありますように…
【A82点】