てけ さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
元祖鬼太郎。予想以上の面白さ
ゲゲゲの鬼太郎の元になったお話。
60年以上前の作品なので、原作未読。
……予想外のおもしろさでした。
正義のヒーローなゲゲゲの鬼太郎とは違い、人間とは異なった価値観をもつ「妖怪」な鬼太郎。
命の恩人? だからどうした? 用が済んだらさようなら。
金の話にはぴょんと飛びつく鬼太郎さん。
鬼太郎・目玉の親父・ねずみ男などが繰り広げるシュールな会話、救われないモブキャラたち。
基本は1話完結なので見やすいと思います。
OPでは、貸本漫画時代のカットが見られます。
一度原点に戻ってみてはいかがでしょうか。
--------------------------------------------------------
目玉の親父、もとい、鬼太郎の歴史
原点をたどると、1933年頃に紙芝居作者の伊藤正美という方が作った「ハカバ奇太郎」という作品に突き当たります。
カタカナだったという説もありますが、「鬼」ではないんですね。
その後1954年、水木しげるが、原作者の承諾を得て、紙芝居を貸本マンガという形で本にしたのが始まり。
「蛇人」という作品で設定が、「空手鬼太郎」という作品で、始めて目玉の親父が登場したとのことです。
実に20年以上にわたって鬼太郎には親父が居なかったわけですね…。
かわいそうな目玉。
それはさておき、
その設定を元にして、水木しげるが1960年頃に貸本マンガとして、あらためて書き起こしたのが「墓場鬼太郎」。
紆余曲折を経ながらも、1965年に「ゲゲゲの鬼太郎」として連載開始、1968年にアニメ化されました。
1965年~の連載作品、これが1期にあたります。
当時は「墓場」という言葉に問題があったのか、「ゲゲゲ」に改名。
ゲゲゲの語源は、水木しげるの「しげる」が「げげる」に聞こえたから、と言われています。
また、アニメ化された頃には内容も子供向けのヒーローものになっていたそうです。
つまり、シュールな主人公としての鬼太郎が活躍するこの「墓場鬼太郎」というアニメは、1960~1964年頃に描かれた「ゲゲゲの鬼太郎 零」とも呼べる存在なわけです。
声の出演も、時代を考えて「ゲゲゲの鬼太郎」の1期スタッフに合わされています。
1968年のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫
2008年のアニメ「墓場鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫
深夜アニメとしては異例の、平均視聴率5.0%をマークしているそうです。
アニメをほとんど見てこなかった私も、この作品はリアルタイムで視聴していました。
あにこれでも、もっと知られて欲しい作品です。