Etzali さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
国を形成する為に人はどう在るべきか?
(2012.9/19)
そもそも人とは自己の存在を認識・知覚する事で成り立っているのか?
バークリーは「存在することは知覚されることである」と述べた。
また、フッサールは「意識と対象が相関関係にある」と言い、ラカンは「幼児期における鏡像段階論(鏡=他者に映る自己の姿を見ることにより自分の身体を認識し、自己を同定していく」と定義した。
デリタ(デリダ)は「存在は意識にある意味で依存している」とした。
{netabare}ラカン、バークリー、デリタ、フッサールはロムドを統括している「漆黒」=ドノブ・メイヤーのオートレイブの名でもある。{/netabare}
善き市民とはロムド(国家)を形成する為の歯車(市民)なのだと私は思ったが、果たして国家ありきの市民、人なのだろうか?
それは違う。なぜなら、国家を運営するには人が必要でありその主権はボダンも述べているように国家ではなく人に帰属する。
作中にレゾンデートル(自己存在理由)という用語が何度か用いられている訳は国家への自由でなはく国家からの自由(自発的に行動する事)を主張しているのかと私は思う。
{netabare}「自分が変われば生きる意味も変わってくる」{/netabare}という台詞が作中にあった気がする…(^_^.) その為のキッカケとしてコギトウィルスに感染した(自我を持った)オートレイブが現れロムドに住む人々に警鐘(awakening)を鳴らしたのだと思いたい。
ストーリーは1話~数話まで陰鬱な世界観を表現する為、あえて引っ張ったのだと思うが、モスコを目指す過程は引っ張りすぎた感が否めない(-"-)
一番分からなかったのがスマイル園の回。そのドームの創造主(proxy)なりの国家創造だったのか?
スマイル園の住民(人間もどき)は創造主が作ったキャラによるアトラクションを半永久的に楽しみながら死んでいくらしい…
※人間もどき:{netabare}ドーム内にある人口胎内?で造られた存在{/netabare}
私には、難しすぎました^^;。
西洋哲学に興味がある人やそれを専攻している人は観てみてはいかがでしょう。