「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊-ゴーストインザシェル(アニメ映画)」

総合得点
86.6
感想・評価
1103
棚に入れた
6532
ランキング
193
★★★★★ 4.2 (1103)
物語
4.2
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

草薙素子の苦悩

1995年に公開され、日本だけでなく世界的に注目を集めた劇場版攻殻。

今の自分は電脳と義体で構成された模擬人格なのか?
そもそも初めから”私”なんてものは存在しなかったんじゃないか?
人形使いと呼ばれる国際手配中のハッカーの正体を探っていく中で、
全身を義体化したサイボーグ・草薙素子は自己の存在に問いかける。

科学技術の発展により生じる、人間の主体性(アイデンティティ)の揺らぎ。
素子の言葉は制作者のメッセージ(現代社会への警鐘)を代弁してると言えなくもないが
素子の苦悩や葛藤がよく描けており、紛れもない彼女自身の言葉として受け止められる。
草薙素子という存在を徹底的に追求して描き切った作品、という印象が強く
TVシリーズより哲学的要素は強めだが、取っ付きづらさはそれ程感じなかった。

アクショシーンは格闘戦、銃撃戦共に素晴らしい出来栄え。これはもう単純にカッコいい。
和風テイストなBGMは意外だったが、割と自然な感じで本作の世界観に溶け込んでいる。

唯一の不満は荒巻さんが・・・なんというか・・・
TVシリーズと比べて全体的にピリピリし過ぎというか、余裕がないというか。
あまり有能さを感じられなかった。というか声に違和感あったけど、やはり声優が違っていた。
素子の性格は完全に異なるが、完璧超人なTVシリーズよりキャラが立っているようにも思える。
バトーやトグサは特に違和感はなく、人間味溢れる魅力は健在。

映画にしては約80分というやや短めの尺で、一部冗長なシーンはあるものの
基本的にストーリーはテンポ良く、アクションシーンも随所にあるので退屈感はほとんどなかった。
作品全体に漂う退廃的な雰囲気や扱っているテーマなどから、万人受けはしないだろうが
観直す度に新たな発見があると思うし、好きな人はとことんのめり込む、そんな作品。

投稿 : 2012/09/16
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サンキュー:

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