「地獄少女 二籠 -ふたこもり(TVアニメ動画)」

総合得点
66.7
感想・評価
375
棚に入れた
2189
ランキング
2765
★★★★☆ 3.8 (375)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ようやく訪れた心の平穏

 基本的には1期と同じく、他人に恨みを抱いた依頼人の頼みを地獄少女達が叶えるという
展開だが、1期は2クールで色々な悪人のパターンをやり尽くしたためか、本作は各話
いずれもかなり話に捻りがある。
 回によって、人間社会や人生の無常さを感じさせるもの、最後にドンデン返しのある
ミステリー的色合いの強いもの、ユーモラスな展開のコメディ色の強いものなど色々だが、
ドラマとしては1期より面白さが増している。
 その反面、時代劇の鑑賞などに通じる定型パターンをお約束として楽しむ要素を弱くなり、
後味の悪さも全体的に増したこともあって、悪人を成敗してカタルシスを得るような感覚は
かなり減ってしまった。

 お約束と言えば、閻魔あいの「いっぺん死んでみる?」は健在。
 1期以上に鬼気迫るものになっていて、能登麻美子さんは適役だなと改めて痛感して
しまった。
 この閻魔あいだが、本作では笑いを取るシーンが多かったのが印象的。と言っても本人が
ウケを狙うようなことをするのではなく、閻魔あいらしく真面目に淡々とやるのだが、その
内容が場合によってはかなりシュールなものになり、結果笑いに繋がるというもの。

 閻魔あいを助ける一目連、骨女、輪入道の3人だが、依頼人に応じて藁人形になる担当が
変わった。
 更にそれぞれの過去が描かれたり、依頼人や地獄に流す相手と接触をする度合いが増えて
おり、よりキャラの魅力が増している。
 個人的には女性の依頼人の悲惨な状況を己の過去と重ね合わせるのか、ことさら依頼人に
感情移入している骨女が印象的だった。
 骨女と言えば、第10話「曽根アンナの濡れた休日」において、結局は地獄に流される
ことになったが、それまでは地獄流しとはまったく関係のない人間と長々と交流を持っていた
ことが面白かった。「地獄流し人の日常」とでも言ったらいいのだろうか。

 1期の終盤で、なんの落ち度のない人が地獄に流されてしまい、地獄に流すには依頼人の
怨みの感情しか考慮されていないことが明らかになったが、それが端的に現れたのが本作の
終盤から最終回に至るラブリーヒルズを舞台にした話。
 バブル崩壊後の寂れた住宅地を舞台に、疑心暗鬼からなる住人の狂気が地獄流しの連鎖を
起こし、街が崩壊していく様が描かれていた。
 そんな中、最後に閻魔あいは無実の少年である拓真を地獄に流すのを拒否し、更に現世に
戻ったところで狂人達の手によって消されてしまう。
 消える間際の閻魔あいの救われたような表情がなんとも印象的。思えば400年の長きに
渡り、人々を地獄に流していた日々自体が、彼女にとっての地獄だったのでは?。
 最後まで可哀想ではあったが、やっと平穏が訪れたのかと思うと少しはほっとする。

投稿 : 2012/09/15
閲覧 : 240
サンキュー:

3

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