粟島二武 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイトルなし
『怪~ayakashi~』の「化猫」から続けて見た。アヤカシ「化猫」は確かに面白かったが、刺激の強い(いわゆる)面白い話はパターン化しやすく、怪異発生→暴露される悪人と、その醜悪・残忍性→派手な戦闘シーンといったパターンが続くかと予想していたが、実際に見てみるといい意味で裏切られた。戦闘シーンの派手さも抑えられていた。
『モノノ怪』では理(ことわり:心の有様)に、より重点が置かれた話になっていると感じた。「座敷童子」は我が子を産もうとする志乃のために身を引き、「海坊主」の正体は被害者側の源慧の心の傷であり、「のっぺらぼう」ではお蝶の心の変化により、事件も物の怪も実は何もなかった、という解釈が可能な話になっている。
最後の「化猫」で、このシリーズの終了を暗示しているかのように、発端となった題材に戻るが、時代も、暴露される悪行も、より現代に近い内容になっていた。物の怪の犠牲になるのが、悪行に実際に関わった者だけでなく、それを傍観したり、偽ったりした者にも及んでいることが印象に残る。ただし最後に時間が逆行してそれらの人間に再度チャンスが与えられている点で若干の救いがある内容に変わっていた。