退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
飛べない豚が飛んだところで豚は豚
2046年、ニューロリンカーという携帯端末を用いることで生活の半ばが仮想ネットワーク上で行われるようになった時代。思考を一千倍にするアプリケーション「ブレイン・バースト」のプレイヤーとなった主人公は「加速世界」での戦いに身を投じていく・・・・
結論から言えば、少々期待はずれではありました。
設定はかなりよく練られていたんですが、あまり面白さに繋がってないように思えます。
戦闘シーンはよかったですし、まさに王道バトルな展開も悪くはなかったのですが、非常に分かりやすい敵キャラの能美の登場、流れをぶち切る沖縄回、と終盤に入るとややペースダウンしてしまった感もありました。結局、加速世界の真実はほとんど何も判明せず・・・二期から面白くなってくるのでしょうかね・・・・
まぁそれよりも問題は主人公なんですけどね。
いじめられっ子でヘタレでデブという主人公、それは問題ないのだがブレインバーストに執着してる姿を見ると距離を置きたくなります(笑)全然共感出来ないんですよねぇ、だってゲームのおかげで劣等感を克服できたとか言われてもなぁ。なんか加速世界で飛べるように成ったら偉そうになりおったし(笑)、何故か意味不明なことにモテておるから腹が立つ。生ハムにしてやりたい。好意的に見れば成長しているようには見れるとは思うんですが、まぁ豚が飛んだところで豚だし(爆)
勿論思考の加速化というのは現実世界において大きなメリットがあるはずなんですが、フィジカルバースト(肉体の加速化)以外にはあまりそういうことも描かれなかったですね。そもそも現実世界の描写が少ないのでイマイチ伝わりにくい。ついでに言うならリアル割れとか、デメリットへの対応もかなり適当な気がします。そりゃ能美にボコボコにされますわ・・・・w
ネトゲについては全く分からんのですが、加速世界そのものがネット社会の縮図と見れば、あぁなるほどね、と思えるところも結構ありました。ネトゲに通じて人間関係を築く、それが現実における人格にも影響する。アバターが恐怖や欲望、強迫観念の現れというのは、非常に面白い発想だったと思います。続きを見れば、もうちょっとその辺りを深く掘り下げてあるのかも知れませんね。攻殻のような近未来SFを期待すると確実に落胆するでしょうが、新世代のネット社会観を描いた作品として見れれば、また違った楽しみ方も出来たのかなとは思います。