とろろ418 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
その空が青い理由
ひとつの理想形と言っていいくらい、とても良く出来た作品だと思います。
一見すると光の部分が全面的に押し出されすぎていて、メッセージ性が損なわれているように感じるのですが、「あれってどうなったんだろう?」「これってご都合主義じゃない?」
と突っ込んで考えていくと描かれていない闇の部分がちゃんと浮かんでくるんですよね。
具体的に言うと{netabare}
・アンジェレッタのその後
おそらく誰もが思う疑問ですよね。
個人的にロミオはアンジェレッタと結ばれると思っていたので、不満点として挙げようかとも思ったのですが、考えて見たら十中八九亡くなってるんですよね。
何にも触れてないのがその証拠かと。
そこから派生して、カセラ教授がパリへ送った本当の理由は外の世界を見せるためだったのでは? とか
イザベラ様はロミオたちに報告しに戻ってきたのだけれど、アルフレドの死が重なり告げないことにしたのかな? とか
色々考えちゃいますよね。
・アルフレドの死因
物語部分だけを見るとかなり唐突で、作者に都合よく死んだ印象を受けますけど、実は世界観の闇が凝縮されています。
メッセージ性を強くするなら、もっとロミオたちを辛くて悲惨な目に遭わせて陰鬱な作品にするべきですし、
アンジェレッタの前振りがある分、諄くなるので病死も避けたかったはずなんですよね。
悲しいけれど、この死がなければただのいい話止まりだったと思います。
{/netabare}等々。
純粋に物語だけ追っても面白いですし、そこから少し掘り下げてその裏を覗いてみるのもまた一興。名作と謳われているのも頷けます。
子供に見せたい作品であり、出来れば大人になってからもう一度見て欲しい作品でもありますね。
文句なしのおすすめです。