モヤモヤ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
奉太郎が気になります。なアニメ
この作品は千反田えるの可愛さや「気になります!」というフレーズがキャッチフレーズとして頻繁に取り上げられておりますが
個人的には折木奉太郎の思考回路や人間性の細かさにこそ魅力があると思います。
例えば、折木奉太郎の部屋にある本棚の中身にも細かな設定があります。
{奉太郎の本棚の主な著書}
ジェフリー・アーチャー「百万ドルを返せ」
スティーヴン・キング「図書館大戦争」
井上靖「氷壁」
吉村昭「破獄」
ロバート・キャパ「ちょっとピンボケ」
半村良「どぶどろ」
藤沢周平「隠し剣シリーズ」
杉浦日向子「とんでもねえ野郎」
etc
これは原作者の米澤穂信さんが背景作画や奉太郎の人物像の参考として作ったリストだそうです。
実際は100冊近くリストアップされていましたが、本好きな人が見れば、いかにも奉太郎が好きそうな一覧にニヤニヤしてしまいます。
奉太郎は国内外のSF小説や情景描写の丁寧な小説を好む傾向にあるようです。逆に恋愛小説や推理小説は好まないようですね。
作中でも「推理小説はあまり読まない」と奉太郎は言ってましたが、高校生の文学少年らしいこだわりが何とも憎めないです。
自分もそんな斜めに構えた本の選び方してたな~と懐かしさすら感じます。
ちなみに、上に挙げた著書に浮いている作者がいるのにお気付きでしょうか。
最後の2名は時代劇小説です。
これは元古典部だった姉がそのまま置いた本があるために浮いたジャンルの小説が混ざっていると原作者が言及しているので、これでしょう。
時代劇小説は姉の趣味なんですね。
いや~細かい!
本好きの私としてはそんな奉太郎の細かな描写が好きでした。
ただ、文系らし過ぎて登場人物がみんな斜めに構えた態度なんですよね。
丁寧な説明も時として、説明口調が強すぎたり、協調性が感じられなかったり…
文化祭のシーンなど、みんな自分のやりたい事をひたすらやっているだけで、何か思いやり無い連中だな~という悪い部分にも見えてしまいました。
とはいえ、シナリオも面白く最後までワクワクしながら視聴させて頂きました。