ぶっかけ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
共感は世代を越えられたのか?
基本的には古き時代を回顧し、ノスタルジックな気分に浸る作品
高校生男女の恋愛を軸に昭和当時の風情を魅せる
本編90分は耐えなければならないほど退屈ではないが
画を楽しむ観方ができなければいささか辛いかもしれない
舞台は1963年、ヒロインは16歳。
ということは1947年生まれか
逆算すると今の65歳がどストライク世代ですね
世間では団塊と称される世代
で、ここの鈴木プロデューサーが48年生まれだから
何かこの辺りに見え隠れする作品の意図も感じたりする訳ですが
それは置いといて
年寄りとは、やはり自分たちのヒストリーを若い世代に紡ぎたい訳ですよね。
悪い癖だが私も人のことは言えない
つい先日、小学生の甥にスラムダンクとドラゴンボールを渡して
「これでも読みなさい」とやったばかりだ
この行為も充分それに当て嵌まるだろう。年はとりたくないものだ…
本作において、説教臭さや押し売り感はあまり感じないが
ジブリの年寄り達が、それに近いことは仕掛けてきた印象で
昔話に付き合う余裕がある方には是非その相手をして頂きたい
言うほど悪くないし、それなりの見返りは受けられる。かもしれない
「ファンタジーから離れて魅せる真骨頂」やら
「吾郎復活」みたいな声も聞こえてくる本作ですが
言っちゃうとこれ、切り口が高畑勲だと思うんです
切れ味に関しては無論、氏の域に達していないが系統は間違いなくそこ
吾郎監督自身がその手応えを口にする二作目で見せたのは
パパのそれではなく、ジブリもう一人の父を感じさせるもので
自身の口から「ファンタジーは向いてない」発言まで飛び出す始末
あぁこれは覚悟を決めたなといったご様子です
これはつまり毎度のごとく騙され、一縷の望みをかけてジブリの新作を視聴する者にとって
不本意な後継の誕生と言えるでしょう。
幼虫から育てたカブトムシが、孵化したらメスだったみたいな話で
今更言うまでもないと思うが、欲してるのはそちらではないのですが…
さて、息子さんの伸びしろが明らかになった以上
こうなればこちらだって多くは望まない
その時が来るまでに一本。
いい加減大人向けのやつをなんとかお願いできませんか、お父さん。